「うんていやぐら組立キット」はじめましたCheck

【DIY実績まとめ】キッチン棚から雲梯・動く壁掛けTVまで!計24点のDIY家具・遊具を『満足度』『安さ』『簡単さ』の評価付きでご紹介

わが家はマンションのため、戸建てと比べてDIYしにくいところがあるんですが、それでも理想の暮らしを追い求めて自ら設計・製作してきました。

振り返ってみると、上の子が3歳になったタイミングで作ったターザンロープ(2018年12月)を皮切りに、これまで大小24点のDIY家具・遊具を作ってきたことになります。本記事ではこれらを製作順に網羅的に並べてご紹介します。

各製作物に対しては個人的な評価も加えました。DIYするとすべてのものに愛着が出るので甘い評価になりがちですが、心を鬼にして厳しめに評価したつもりですので、参考になれば幸いです。

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DIY実績まとめ表

先に私のDIY実績を導入順に表形式でまとめます。星の数で表した各評価項目星数の意味については後述しますが、基本的に星★が多い=Goodという意味ですので、★が多い方ものが推しとお読み取り下さい。(中空の星☆は参考)

スクロールできます
DIY家具・遊具期待満足度安さ簡単さ賃貸製作時期
①ターザンロープ2018.11
②ダイニングモニター2018.12
③壁掛けスピーカー2019.1
④ケーブルモール2019.1
⑤PC囲い箱2019.2
⑥ベビーゲート2019.4
⑦手押し車2019.5
⑧体操つり輪2019.10
⑨ボルダリング2019.10
⑩玄関ミラー2019.10
⑪大きな姿見2019.10
⑫ハンガーラック2019.12
⑬本棚2020.3
⑭バスケゴール2020.5
⑮簡易キッチンボード2020.6
⑯デスク天板2020.6
⑰廊下うんてい2020.6
⑱エアコン設置2020.7
⑲クッションマット遊具2020.7
⑳工具棚2020.10
㉑子供用作業テーブル2020.11
㉒トランポリンカバー2020.12
㉓可動式壁掛けテレビ2020.12
㉔マグネット式壁掛けお道具箱2021.1

評価項目と星数の解説

(作る前の)期待」「(作った後の)満足度」「安さ」「簡単さ」の4指標を用い、星数でその度合いを表しました。その基準について順に解説します。

「安さ」以外は完全に私の主観でございます

期待

作る前に私がどれだけの期待を持っていたかを星数で表しています。星が多いほど事前の期待が高かったという意味。

絶対良いと思う!もはや夢!
普通に期待してる
とりあえず作ってみるか
「期待」の評価基準

後述する満足度において、どうしても事前の期待の度合いが影響してしまうので、前提条件として表現することにしました。期待が高くてハードルが上がってしまっていたものは、満足度がどうしても低くなりがちです。

また、期待が低いもの(魅力が小さいもの)は基本的に作らないんですが、コストや手間が小さいものはとりあえず試しに作ってみるか、という考えで作っていますので、そのあたりも読み取れるかと思います。

本記事をご覧になられている方の多くは未導入と思いますので、みなさんが抱く期待とも比較してみてください。

満足度

作った後、使用する中で感じている満足の度合いを表した指標。星が多いほど満足度が高いという意味。

期待以上!大満足!
期待通り
やや期待はずれ
星なし作んなきゃよかった
「満足度」の評価基準

先述の通り、期待のハードルの高さの影響を受けているので、期待度とセットで見てほしい指標です。また掛かった費用や時間も影響を受けていますし、実際に使われている頻度代替手段の有無(代えがたい存在かどうか)なども考慮しており、まさに総合評価と言えます。

星3つなんかは「めっちゃオススメ!」って意味です

安さ

作る際に掛かったお金を表した指標。星が多いほど安いすなわちお金がかからなかったという意味。

数千円/失敗しても良いかと思えるレベル
1万円前後/慎重に調べるレベル
数万円/家庭内稟議が必要なレベル
「安さ」の評価基準

簡単さ

DIYの難易度を表した指標。星が多いほど簡単すなわち難易度が低いという意味。

・DIY未経験の妻でもできる(できそう)
・工具と体力と気力があればきっとできる
・マニアックな工具が要ることも
・躊躇なく壁に穴をあけられる技量と度量
・他人様のものも作れるんじゃないかってほどの自信
「簡単さ」の評価基準

技術的な観点も多少はありますが、基本的には経験値と読み替えて良いかなと思います。私自身、DIY始めた当初は絶対無理と思っていたうんていも、その後のDIY経験で自信をつけた結果、約1年半後には「できそう!」ってなり、実際に作れましたので。

そんなお父さんを見てるからか、僕も工作大好き

ただ、大物は必然的に技術的難易度が上がりますスペースも要るしも要る。それに組み合わせるときの精度出しも難しくなってきますし。技術と経験から来る勘が必要になってくる印象です。

なお、私の実経験に基づく評価なため、分譲マンションでのDIYが前提となっている点、ご了承ください。例えば間仕切り壁の間柱はマンションではLGSであり、私のDIYでは積極的に利用するのですが、金属(鉄)なので木相手より難易度は高いと感じています。

賃貸

お住まいが賃貸住宅の場合でも導入できるかどうかを表した指標。

無問題
軽く復旧作業が要るけど問題なし
(私は試してないけど)工夫すればいけそう
×ダメそう
「賃貸」の評価基準

○は具体的にはこういう石膏ボード用ピンを使うケースです。

小さな穴があいてしまいますが、グニュグニュってやれば目立たないように復旧させることが可能です。

また△では、私と同じ作り方だとダメだけど賃貸でもいけそうなアイデアを提示しています。

個々のDIY家具・遊具の紹介

ではいよいよ個々のDIY作品をご覧頂きたいと思います。製作順に並んでいます。個別にポイント解説も入れていますので参考になれば幸いです。詳細はそれぞれの個別記事で適宜ご確認ください。

一部、ショボすぎる作品失敗作も登場しますが、そんな時期もあったということでご笑納ください。

ご質問等あればお気軽にコメント欄にどうぞ

①ターザンロープ

登りロープをDIYでマンションに設置
2018.11 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 期待に対して高い満足度
  • 費用は約11,000円
  • 初心者でも作れるDIYレベル
  • 賃貸の場合は工夫が必要

数々作ってきたDIY遊具の中で一番オススメです!

②ダイニングモニター

2018.12 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 期待通りの仕上がり・満足度
  • タッチパネルモニタ込み約6万円
  • 「太長穴あけ」以外は簡単
  • ラブリコ=賃貸OK

この記事もこのモニタを使ってダイニングで書いています

③壁掛けスピーカー

壁掛けスピーカー1
2019.1 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 部屋溶けスタイルに大満足
  • オーディオセット込み約13万円
  • 壁に穴あけが必要
  • 工夫すれば賃貸いけるかも

お金はかかりますが、音楽に包まれていたい方にはめちゃくちゃオススメです

④ケーブルモール

壁掛けスピーカー3
2019.1 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 想定通りのスッキリ仕様に大満足
  • モールは数百円
  • カッターとキリとハンマーでできるレベル
  • 壁には微小な穴しかあけないので賃貸OK

このひと手間のおかげで部屋も気持ちもスッキリします

⑤PC囲い箱

PC囲い箱
2019.2 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 自作PCの保護&上にモノを置けるように
  • 素材費は数百円
  • MDFをノコギリで切ってボンドで貼るだけ
  • もちろん賃貸OK

ビスを1本も使わない簡単DIY♪

⑥段ボールベビーゲート(失敗作)

段ボールベビーゲート
2019.4 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 妹の破壊行動から兄のひとり遊びを守るため
  • 素材費はゼロ
  • ただし1か月くらいで娘怪獣に壊されました
  • おもちゃとしては悪くない

あとで作ったクッションマットがベビーゲートとしても秀逸なので、今となってはクッションマットを早く作ればよかったと思います

⑦手押し車

風呂イス手押し車
2019.5 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 推し進めたいざかりの娘のために
  • コストは400円
  • 風呂イスにフェルト貼っただけ
  • その後も足場として大活躍

⑧体操つり輪

体操吊り輪は家族みんな楽しめる
2019.10 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • ロープのついで→意外と良い
  • 費用は約10,000円
  • 初心者でも作れるDIYレベル
  • 賃貸でも工夫すればいける

ぜひロープとセットで

⑨ボルダリングウォール

マンションにボルダリングウォールをDIY設置
2019.10 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 期待が高すぎて満足度が低い結果に
  • 費用は約37,000円
  • 穴あけ多数・大物組立で難易度高い
  • ラブリコだけどメーカー非推奨な使い方なので要注意

友人からもよく作り方を聞かれますが、費用対効果の高いロープ・つり輪を先に作ることをオススメしています

ROI低いのよね

⑩玄関ミラー

玄関に姿見ミラーをDIYで接着設置
2019.10 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 狙い通りの場所にミラー設置でき満足
  • 端材利用のため費用はゼロ
  • 接着設置のため簡単だけど勇気がいる
  • 剥がせる系接着剤を使えば賃貸でもいけるかも

本番(⑪大きな姿見)前の予行演習の位置づけで作りましたが、見事に歪んで失敗したので、本番に反映しています

⑪大きな姿見

巨大アクリルミラーを引き戸に接着設置
2019.10 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 遊び以外にも娘の髪結びなど日常使いで大活躍
  • 費用は約14,000円
  • 接着設置のため簡単だけど勇気がいる
  • 剥がせる系接着剤を使えば賃貸でもいけるかも

子供がかぶり物を工作したときに、「そうだ」っと目をキラキラさせて姿見を見に行ったときには、作って良かったなーって心底思いました

⑫ハンガーラック

DIYハンガーラック・ディオウォール
2019.12 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 期待通りのスッキリ収納
  • 費用は約13,000円
  • 大きい家具だけど意外と簡単
  • ディアウォールのため賃貸OK

マンションだと既設収納が少なくて困ってましたが、これで解決

⑬おうち型本棚

家型本棚の作り方
2020.3 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • イメージ通りに大容量・素敵形状な本棚が作れて満足
  • 費用は約15,000円
  • ネジ打ちさえできれば作れる程度の難易度
  • おうちに合わせてぴったし寸法

楽しい感じは出したいものの色で主張したくはなかったので、形で工夫しました

⑭バスケゴール

室内バスケットリングの作り方
2020.5 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 大きなリングだけど存在感を減らす工夫で楽しさと見た目を両立
  • 費用は約5,000円
  • 塗装さえできれば簡単
  • ラブリコなので賃貸OK

マンションの場合は近所迷惑にならないよう、
・軽いボールのみを使用
・夜はやらない
などの配慮が必須ですが、子供の操作性能力が上げられて動育的にも良いです

⑮簡易キッチンボード

簡易キッチンボード
2020.6 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • デッドスペースにぴったしサイズの簡易棚を低コストDIY
  • 費用は数百円
  • 塗装さえできれば簡単
  • 石膏ボードピン固定で賃貸OK

このくらいの時期になると、妻の「こういうの欲しいんだけど」に即座に応えられるようになってきました

⑯スタンディングデスク天板

杉無垢の天板
2020.6 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 杉の無垢材で味と香りのするちょうどサイズ天板
  • 費用は約7,000円
  • ワックス塗装で艶めかしさUP
  • 快適テレワークにオススメ

杉は柔らかいのでキズが付きやすいですが、それもまた味に。紙を直接置いてモノ書きする方は既製品のメラニン樹脂を選定された方が良さそうです。

⑰廊下うんてい

廊下うんていの作り方
2020.6 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 不安の中作ったうんていは結果的に大成功!DIY遊具の集大成に
  • 費用は約9,000円と既製品相場の1/10以下
  • 技術的難易度はかなり高い
  • 間柱利用のため賃貸NG(工夫の余地あり)

満足度MAX(ほぼ自己満)

マットが敷けるので外より安全確保しやすいのが良いわ

⑱エアコン設置

エアコンDIY設置
2020.7 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 業者手配コストをケチってDIYしたけどそんなに安くない
  • 設置費用は数千円
  • 設置自体は簡単だけど専門器材・技術がやや必要
  • 壁に穴あけ必要だけどエアコン設置は賃貸でも許容されるはず

夏には問題なく稼働していたエアコンですが、冬になると暖房が効かなくなり…原因調査中(ということで今のところ失敗と評価)

⑲クッションマット遊具

自作クッションマット
2020.7 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 想定以上に多種多様な使い方があって大満足
  • 費用は約20,000円
  • 必要なのはミシン縫い技術のみ
  • 賃貸・戸建て関わらずすべてのおうちにオススメ

子供が赤ちゃんのときから作っておけば良かったと、今となっては思います

⑳工具棚

工具棚
2020.10 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 簡単化のため固定棚タイプで室内・ベランダに設置
  • 製作費用は数千円
  • 大物になるので取り回し・組み立てがやや大変
  • ラブリコ使用なので賃貸OK

㉑子供用作業テーブル

子供用作業テーブル
2020.11 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 幅1.6mの超ロング仕様で兄妹同時使用でも余裕
  • 製作費用は約1.3万円
  • 板切って脚をネジ留めするだけ
  • お部屋・子供に合わせてサイズ・高さをカスタム

兄妹仲良く二人並んで作業できるようになったので、ケンカも減りました

㉒トランポリンカバー

トランポリン用保護カバー
2020.12 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 極厚ヨガマット利用で安心・安全を手に入れることに成功
  • 費用は約3,000円(トランポリン除く)
  • タイラップ固定で簡単
  • トランポリンをお持ちの全ご家庭にオススメしたい

ケガしてから少しトラウマになった息子も、この極厚マットの頼もしさに安心してトランポリンするようになりました

㉓可動式壁掛けテレビ

可動式壁掛けテレビ台
2020.12 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • 手動にて80cmの昇降が可能
  • 壁からテレビ面の距離はわずか12cmと極薄
  • 製作費用は数万円(テレビ除く)
  • 業者用機構部材を仕入れ、調整も必要なため難易度高い
  • ラブリコ利用のため賃貸OK

ここまでの昇降範囲を持つものが市販品になく、なら自分でやったらんかいと作ってみました。苦労しましたが、うまくいって大満足!

㉔マグネット式壁掛けお道具箱

マグネット式お道具箱
2021.1 完成
期待満足度安さ簡単さ賃貸
POINT
  • トタン板を壁に設置し、マグネット式用品で構成
  • 費用は約8,000円
  • 難関はトタン板穴あけだけ
  • 石膏ボードピン利用のため賃貸OK

ネットで調べても前例がなかったので不安でしたが、想定通りうまくいって大満足

DIY実績まとめ

振り返ってみるとたくさんのものを作ってきましたし、そのたびに失敗し、学びを得て成長してきたように思います。

私の経験が、みなさんのDIYライフの一助となれば幸いです。

DIY実績・オススメまとめ

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • Twitter、ブログ拝見しました。
    ご自分で設計から製作まで実施されており、素晴らしいなと思いました。

    特におうちアスレチックに関しては、コロナ禍でなかなか外出ができない中でピッタリのDIYだと思います。おうちアスレチックをDIYされる上で一番心配なのは安全性です。
    ブログ内では強度計算を記載することで、読者の方の不安を払拭されているものと思います。

    私も長年エンジニアとして構造設計を行っていますが、いくつか読者の方がミスリードしてしまい、危険な設計を行ってしまいそうだと感じたため、真似をされようとする読者の方への注意喚起も込めて、コメントさせていただこうと思います。
    場合によっては、良かれと思って作った遊具で大事なお子さんが不幸な目にあってしまう可能性もあるため、真似しようとされている方はご一読いただければと思います。

    少し批判的な内容になってしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
    コメントの削除、表示しない等の対応をされる場合は、定期的にツイッターでも注意喚起したいと思います。

    前置きとして、ボルダリングウォールの話をしたいと思います。記事ではボルダリングウォールの支柱としてラブリコという突っ張り棒のようなものを使用されていますが、記事内でも何度も書かれている通り、メーカからは「絶対におやめください」と強く禁止されている使い方です。

    これは、もともと書かれていたものではなくツイッターでの指摘を受けて、記事に追記されたようです。
    この事を指摘された際、ブログ主さんは「メーカが禁止している使い方であることは知っていた」、「厳しい試験を実施している」、「記事を参考に作られる場合は自己責任である」旨の返答をされていました。

    遊具のDIYを作るうえでみなさんが一番気になるのが安全性です。記事の中でも安全性が大事である旨を強調されています。
    そんな中で、安全性に直結する「メーカが禁止している使い方であること」を知っていたのに書かなかったのはなぜか?
    それは、書いてしまうと真似をしようとする人が減ってしまう可能性が高いからだと思います。
    これだけ安全性を強調されているブログですから、読者の方を思えば記載するべきと考えるのが普通で、配慮が足りなかったというよりは”あえて書かなかった”と思わざるを得ません。

    ご存じの方も多いと思いますが、ブログというのは多くの方が副業としてやられています。記事内のいたるところに貼られているリンクから読者の方がショッピングサイトに飛び、そこで買い物をされることで売り上げの一部を広告収入としてブログ主さんは受け取っています。

    つまり、ブログは慈善事業ではなく、商売としてやっておられる方がほとんどです。このブログでも広告収入が入るリンクを貼っておられました。

    ただし、これは全く悪いことではありません。ブログにより読者の方は情報を得ることができ、ブログ主さんには収益が入るwin-winの関係であり、正しくやれば本当に素晴らしい仕組みだと思います。

    しかし、今回のように収益を優先するあまり、本来書くべきことを書かないというのは当然あり得ます。ブログはブログ主さんが自由に表現する場であり、ブログ主さんが言っておられる通り、それを真似する場合は読者の方の自己責任です。
    仮に記事を真似て作った遊具が万一壊れて、不幸な目にあってもブログ主さんの責任は問えません。

    ブログというものは商売としてやっている、記事の内容についてブログ主さんに責任を問えないということは十分に認識したうえで、場合によってはほんとかな?と疑いも目をもって読むべきだと私は思います。

    ---

    前置きが長くなってしまいましたが、強度計算に関する疑問について書きたいと思います。

    まずは、登りロープや吊り輪で使用されている梁の強度計算です。
    強度計算に使用されるパラメータもきちんと紹介されていますが、その中でも重要なのは安全率です。

    梁の構造計算では安全率”6”が使用されており、JISに定められた値であることも紹介されています。
    これは事実ですが、JISに定められている吊り具の安全率”6”は「物を吊る場合」です。「人を吊る場合」は”10”と定められており、「吊り具 安全率」で検索すればすぐにわかります。

    また、吊り具は一般に金属製もしくはそれに準ずる強度、特性を持ったもので作られています。材料を金属から木材にする場合はもっと大きく安全率をとるのが一般的です。
    そこから考えても、安全率”6”というのは決して安全な設計とは言えません。

    恐らくこれもブログ主さんは「知っている」のだろうと思います。

    実際には想定荷重を80kgと、子供が使うことを想定した遊具としては大きな荷重で計算されています。この想定荷重を40kgとかもう少し現実的な荷重にすれば、正規の安全率で計算してもOKになると思います。

    なぜそうしないかというと、これも読者の方への印象の違いだと思います。
    例えば、想定荷重を20kgにしますと言うと、強度計算をよく知らない方でも少ないのでは?と疑問を持つと思います。
    しかし、安全率を6にしますと言っても、なじみのない方はそういうものなんだなと特に疑問を持たない可能性が高いです。そもそもJISに定められていると書いてますし、想定荷重の6倍で計算していますから、感覚的に十分なイメージを持つでしょう。

    つまり、想定荷重を80kgという大きな値にして、安全率をこっそり下げていても、記事を読まれた方は「80kgでもOKとは何て安全な設計なんだ!」と思う方が多いでしょう。安全率が低くないか?と感じる方はそう多くないと思います。

    実際、安全率は強度計算の結果に直結する最も重要なパラメータです。10という数字は大きいと感じられるかもしれませんが、記事内の計算自体が簡単な計算であり、実際の使用条件とは大きく異なるので、これくらいの安全率が必要になります。

    まず、計算では木材に一定の荷重をかけて壊れるかどうかを判定しています。
    (棚にものを置くようなイメージで、かかる荷重はずっと一定の場合を想定しています。)

    しかし、遊具の場合は登ったり下りたりするので、荷重がかかったり抜けたりします。
    これを繰り返し荷重と呼びます。

    材料は一定荷重の場合はある程度大きな力をかけても壊れませんが、繰り返し荷重の場合は一定荷重の場合よりも遥かに小さい力で壊れます。

    しかも、すぐには壊れず、繰り返し荷重がかかっていく中である時突然破壊に至ります。

    遊具に置き換えると設置当初に壊れることはなく、一定荷重に対する強度は確保されているのでむしろ頑丈だなと感じると思いますが、使用を重ねるうちに徐々に破壊に近づき、使い慣れ、油断したころに突然壊れる可能性があります。大きなけがにつながる可能性が高いことは容易に想像できるでしょう。

    「だから、使用前に点検が必要だと書いている」と反論されるかもしれませんが、設計上の強度を満たした上で使用前点検をするのが通常で、使用前点検をするから設計強度満たしてなくていいというのは完全に間違った考え方です。

    また、使用環境による経年劣化も計算には考慮されていません。
    この繰り返し荷重と経年劣化の影響を計算に考慮するために安全率を高く設定する必要があります。計算と実際との違いを安全率で考慮するという考え方自体は全くおかしくありません。

    安全率の考え方は構造設計エンジニアにとっては基本中の基本ですので、こういう書き方をされているところを見ると、ブログ主さんは知識・経験のあまりない素人の方か悪意を持ったエンジニアかのどちらかです。
    ブログ主さんは技術・経験のあるプロを自称していますし、残念ながら後者の可能性が高いのかなと思います。

    次に雲梯の記事です。内容はほぼ同じですが、こちらの安全率はロープほど揺れないので”3”と書かれています。この根拠は本当にわかりませんでした。
    6でも強度が足りていないことは上でも書きましたが、それを3にするということは強度を半分にするのと同じです。
    記事内にも書かれている、「技術と経験からくる勘」なのかもしれませんが、長年こういった計算に携わっている私の技術と経験からはこの数値はありえないと感じました。

    強度が足りない場合、材料を変えるか構造を変えるかの対策が必要ですが、労力とコストがかかります。さらにブログの場合は製作難易度が上がることで、真似する方が減り収益低下につながります。

    そういった場合の禁じ手として「基準を緩める」ことを考えたくなる気持ちはわかりますが、設計者としては絶対にやってはいけない行為です。

    もしかすると、実はもっと複雑な計算をやっていて、ラブリコの時と同じように「言っていない」だけの可能性はあります。

    私はこの記事を見てコメントで注意喚起をしようと思いました。
    これらの記事を読んで、ブログ主さんは嘘を言わない範囲で、読者の方に安全だとミスリードさせるような表現を使うのが上手いなと感じました。ところどころ、後で責任を追及されないようクサビとなるような表現もあるので、こういった部分には非常に気を使って記事を書かれていると思います。

    長々と書きましたが、恐らくブログ主さんからの説明もあると思いますので、これらを真似しようとされている方は、両者のコメントを見たうえで判断いただければと思います。
    この記事のままに真似することはせず、計算の内容を含めてご自分で理解され、安全だと判断された場合のみ真似することを強くお勧めします。

    このブログを真似された方に不幸が訪れないよう、ブログ主の方にも不幸が訪れないよう、真摯に誠実な記事にされることを切に願います。

    • 通りすがりのエンジニアさん、コメントありがとうございます!
      この度、Twitterでの投稿が多くの反響を得た影響で、方々から様々なご指摘を頂いております。
      時には心のない表現を使われる方もいらっしゃって少し傷心気味ではありますが、私も微力ながら社会に直接的に影響を与える人間になったことを自覚し、踏ん張ってしっかりと学び、悪いところは直して進んでいこうと思います。
      (通りすがりのエンジニアさんは、丁寧な言葉を選ばれていらっしゃる印象で、誠実な方とお見受けしました)

      ご指摘の通り、安全設計のための説明が不十分であった点、ごもっともです。大きく反省しております。
      改善を急ぎ図りますが、その前に分析として、このような事態の背景として3点あったものと考えております。
      (1)専門性の不十分さ
      私は本業で構造設計に携わっている者とはいえ、飛ぶもの(軽量構造)を対象としており、”地上”で”人”が使う構造物の安全設計に対する知識・感覚を十分に持ち合わせていませんでした。
      (普段、安全率1.25などを用いています)
      (2)DIY=自己責任であるという甘え
      あくまでも一例としてその設計・作り方の詳細を提示することで、読者の方に「自分でもできるかどうか」「安全と思うかどうか」の判断を仰ぐイメージでブログ記事を書いておりました。
      しかしながら、通りすがりのエンジニアさんはじめ、何人かの方からご指摘があったように、私の設計を鵜呑みにして(丸コピーして)作る方も一定数いるものと思いますし、「ほとんどがそうである」と想定すべきでした。
      またその前提として、きっと「安全そうだ」と読者が思う、というプロセスがあると思うので、その認識へ至るための情報の中にミスリードや不十分はあってはならない、と思いを強くしました。
      (3)どうせあまり読まれないだろうという甘え
      本ブログは、ほとんど読まれることのない期間も長く、どこかプロ意識(直接的に社会に影響を与える)が甘かったように思います。
      この度、反響をたくさんいただいた中で、本ブログが影響力を持っていることを強く認識しましたので、改めます。

      以上の分析も踏まえ、これから読者の方をミスリードしないよう、ブログ記事をリライトしていきます。
      本ブログ設立の目的は、今やアクセス数が増えたため「収益」ももちろんありますが、当初からあるのは「私の経験・知見を社会に還元し、よりよい社会に資する」です。
      特におうち遊具によって子供たちの心身の健康を促進させる、というコンセプトは、非常にポジティブで良いリスクテイクの好例だと思うので、これからも発信し続けたいと思っていますが、一方で「不慮の事故」が起こることはまさに本末転倒であり、私としても避けたいことです。
      DIYを発信するという難しさはありますが、趣旨は「簡単に作れるから真似して作ってね」ではなく「私はこんな風に考えて作りました。皆さんの参考になれば!」ですので、その点ミスリードのないように、私の方でも注意喚起を強化したいと思います。
      またブログ全体の構成としても、「簡単DIY」を推すのではなく、「遊具や便利家具のある生活はこんな感じになるよ」というイメージを持ってもらうことをメインに、再構成したいと思います。
      「真似する方が減る」ことは、私にとって問題ではありません。むしろ、他のブログ等を読まれて危険な目に会われるよりかは、私のブログを見て(「ちょっと安全設計できる自信ないからやっぱりDIYはやめよう」と思うことも含め)多くの学びを得て頂きたいと思う次第です。そんなブログになるよう、頑張って参ります。
      併せて今、今回の騒動(?)で、ご指摘・ご批判だけでなく具体的に前向きな行動として「おうちアスレチックの普及に協力したい」と言って下さるプロ建築士の方も現れました。そんな方々や私の知り合いの建築士とも協力し、適切な安全設計・担保がなされたおうち遊具のサービスを検討したいと思っています。現状、「私のブログを真似するかどうか」という選択肢しか持ち合わせていない方のもとに、他の選択肢をも届けられればなと考えています。
      それが、健全な子供たちを増やし、より良い豊かな社会に繋がるのではないか、そう信じています。

      ひとつひとつのご指摘に対応すべきところ、ここでは概要までとさせて下さい。
      ご批判内容については「ごもっとも」でございますので、急ぎ、記事への反映をして参ります。
      最後になりましたが、通りすがりのエンジニアさんにおかれましては、もし私のポリシーと通ずるようなところがあるようでしたら、ぜひアドバイザーとして、私の活動に対して引き続きご指摘・ご助言を賜ればこの上なく幸いです。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

      P.S.
      通りすがりのエンジニアさんのコメントの中に一部、私の個人情報に関わる表現がありましたので、勝手ながらこちらで削除させて頂きました。
      また、2つに渡っていたコメントを見易いように1つに統合しております。
      ご理解の上、ご了承頂けますと幸いです。

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