わが家の子育て方針動育では、外遊びだけでなく家の中でも運動ができるような環境作りが必要なため、マンションで狭いんですが順次アスレチック化しています。
これまでに登りロープやボルダリング、うんていなど自重系遊具を中心に作ってきましたが、上の子も4歳になったのでそろそろ技能系・テクニック系の室内遊具も導入していこうと考え始めたところです。
そんな技能系遊具の第一弾としてバスケットゴールを完全オリジナルで設計・製作しました 。本記事ではその導入記をお示しします。
どんな感じに仕上がったか
まずは完成状態をご覧ください。


簡単に高さを調節できます


目指したバスケットリングとその特徴
遊具を作るときに一番大事にしていることは「面白いこと」「面白そうなこと」です。
実際に遊んで面白いのはもちろん、やる前から「なんか面白そう」と思える見た目も大事です。

子供のモチベーションを引き出したい
そのため、バスケットリングを作るにあたっても「面白い・面白そう」に留意します。
小中高大とバスケ少年として過ごした私の経験からして、バスケットボールの魅力は「ボールをリングに入れたときの快感」です。もう少し具体的には、
- 「これは難しいんちゃうか」ってくらい遠くから入った時の達成感
- ボールがネットを通過するときの「ザッ」って感じ
この辺が病みつきポイントと考えます。

シュート以外にも魅力はたくさんありますがここでは省略します
これに応えるため、バスケットリングの設計では以下の通り配慮しました。
更に、遊び場であるリビングに設置するので
実はこのバスケゴールを作る前に、トイザらスで購入したものを使用していたんですが、

上記条件のうち「大きなリング」「ムダな存在感を消す」「床専有面積を最小化」を満たしていなかったんですよね。そして購入後2か月もすると、支柱がぽっきり折れてしまいました。

めちゃくちゃな使い方するうちの子たちが悪いんですが
今回作ったオリジナルバスケットゴールは支柱もしっかりしていますし、なにより旧ゴールと比べて2倍くらい大きいのでシュートを入れやすく、もっと楽しいです。

構成とコスト
オリジナルバスケリングの構成はとってもシンプル。
一部既存品を用いた部分はありますが、コストは約5,000円と安い部類に入るかと思います。
製作手順
塗装工程があるので乾かしている時間がかかりますが、それでも1日あれば完成する作業量です。

私は早朝の一人タイムを使ってコツコツやったので3日かかりました
- STEP1構想・資材調達
- どこにどんなリングを作るか検討
- バスケットリングの選定・調達
- ホームセンターで木材調達
- STEP2塗装
- 木材を白く塗る
- 金属製リングをベージュに塗る
- STEP3組み立て・設置
- リングを支柱に装着
- 支柱をラブリコで設置
- ネットを取り付け
- STEP4完成・テスト
- バスケしてみる
バスケットリングの選定
大きなリングが欲しいので、色々とネットで物色してこれに決めました。
公式のバスケットリングの規格サイズは45cmでして、このリングはそれよりも微妙に小さいサイズです。バスケリングって意外とデカくて、ミニバスで使う5号球2個分もの直径があります。ちょっと大きすぎると存在感が出ちゃうなぁと思ったので、気持ち小さいこちらのリングをチョイス。


ただしこのリング、配色がアメリカンな感じで存在感ありすぎます。

アメリカ人ってそういうとこあるよね

へんけん、だめ!
とは言え、おとなしい色のバスケリングは見当たりませんので、DIYで対応します。すなわち、
としました。白いネットは一番安くてループ数も合うこちらを選定。
金属塗装は後述します。
リング取り付け穴の寸法
このリング、大きくしてしっかりしてるのに安いので非常にオススメなんですが、選定時の超絶バッドポイントが取り付け穴の寸法がどこにも見当たらないこと。

出典:Amazon
なので、実は購入するまで2×4材にうまく取り付けられるか分かりませんでした。
結果的に後述する通りタイラップを使って絶妙に取り付けられたので良かったのですが、ネジで取り付けられる方のためにも寸法情報を残しておきます。


縦のネジ穴間隔が67mmなので、幅89mmの2×4材にもこの向きであればネジ固定も可能です。

支柱の調達・カット
リングを固定する柱には、毎度おなじみラブリコ+2×4材を用います。

今回の使い方では大きな荷重は入りませんので、強力タイプは不要でしょう。
2×4材はホームセンターで買ってきます。柱用の2×4材は真っすぐのものを選ぶのがポイントです。

(ホムセンのおっちゃんに教えてもらいました)
イケてる2×4材を選んだら、長さをカットします。ホームセンターでそのままカットしてもらえば、持ち運びもしやすくなって便利ですね。50~100円かと思います。
ラブリコ使用の場合は床-天井高さの-95mmの長さが適当です。
私は諸事情(後述)あって自分で切る必要が生じたため、丸ノコを使って切りました。しかしこの丸ノコ、2×4材厚さ38mmに対して最大切込深さ21mmなので一発で切れないんですよね。そのため両面から切りました。


やはり段差はできましたが、荒いサンドペーパーでヤスってマシになりましたし、どうせラブリコで覆われて隠れる部分なので今回はOKです。
塗装
材料はそろったのでいよいよ製作に入ります。まずは部材の色替えです。支柱を白く、リングをベージュに変えます。


支柱(木材)の塗装
水性アクリル樹脂塗料を使って白くしました。木目を完全に消したかったので3度塗りしています。
木材塗装の具体的方法はこちらの記事をご参照下さい。
リング(金属)の塗装
アメリカンなレッドリングをナチュラルなベージュリングに変貌させます。

最初は脱脂から。

ベタベタ触って付いた人間の皮膚の油は、塗料を弾く原因になりますから
私はいつもパーツクリーナーをクッキングペーパーに染み込ませて拭き拭きして脱脂しています。
脱脂が完了したら塗装に入ります。リングは白とベージュの2色に塗り分けます。
と言うのも、リングまで白にしてしまうと壁に溶け込み過ぎてシュートしにくいと思ったから。リングだけをベージュにしてしれっと浮かび上がらせる作戦です。
輪っか部分以外を白く塗るのには、木材でも使った水性アクリル樹脂を使います。金属にも対応って書いてたので信じて使いましたが、確かに問題なかったです。

そして白い部分をマスキングしたあと、輪っかをベージュ(アイボリー)に塗っていきます。
私が使ったのはニッペのペンキュア。おうち型本棚を作ったときの余りがあったので。

このペンキュア、ハケが付いてるので手間がかからずめちゃ便利ですが、これで塗るにはリングはちょっと面積が大きかったので時間がかかりました。このあとうんていを作った時に調べたら、全く同じ色の塗料が見つかったので、このアイボリーを真似したい方はこちらの塗料で楽して塗ることもご検討ください。
なお、今回は金属塗装とは言え既存の赤色層の上からの重ね塗りだったため、下地塗装(プライマ)をしなくても塗料がしっかり乗ってくれました。
裸の金属に塗装を施すときは基本的にメタルプライマーを使うのが良いです。
組み立て・設置
あとは組み立てるだけです。支柱を設置する前に予めリングをタイラップ(結束バンド)で支柱に取り付けます。位置は後から簡単に変えられるので大体でOK。

長さ400mmくらいの立派な結束バンドで支柱にぐるっと巻いてやることで固定します。リングはがっちり固定というわけにはいきませんが、家の中でフリースローするのには十分すぎるほどの固定力を得られます。
この方法であれば、高さ調整が簡単にできるのが良いところ。結束バンドを思いっきり締めたとしても、ズリズリ移動させることができます。

切って付け直してもいいですし
ネジ固定だとこうはいきません。
結束バンドについて、私は家にあった余りものを使いましたが、幅約4mm×長さ350mm程度のものでした。2×4材の周長が89×2+38×2≒260mmで、角部のカーブや締結時の引張代を考えると、最低でも長さ300mm以上は欲しいかなというところ。ネットだとこれが良さそうです。
結束バンドは何かと便利で良く使うので、大量に買っておいて損はないと思います。
リングがつけられたらラブリコで柱をおっ立てて完成です。
完成・テスト

結束バンドの固定力が心配でしたが、ボールがリング縁に当たってバイーンってなってもずり落ちてくるようなこともなく、またしっかり反発もしているので意外と頼もしいです。
ちなみにわが家の場合、マンション住まいで天井が低い(約2.4m)ので、リング高さは調整の末1.5mとなっています。

これ以上高くすると、遠くからシュート打ったときにボールが天井に当たってしまいます
なお、本格的な重たいバスケットボールを使ってしまうと耐えられないかもしれませんのでご注意ください。

家の中でマジバスケは無理じゃない?
事故の共有:転倒しました
設置から半年ほどたった10月上旬、この日は前日から気温がグッと下がって肌寒い日でした。娘と妻がバスケリングで遊んでいて、娘が柱をグイグイやった時に、柱が倒れました。
幸運にもケガはありませんでしたが、肝を冷やしました。原因は以下と考えています。
- ボールによる度重なる衝撃負荷でねじが緩んでいった
- 気温・湿度の変化により柱が縮み、突っ張り力が減った
私が採った対策は緩みチェックの強化ですが、他にもビス打ちやディアウォールにする等が考えられますので、参考にしてください。こちらにまとめています。
私の場合、ボルダリングウォールと違ってバスケリングは軽いので、定期的な緩みチェックが少しおろそかになっていたことが正直あります。この機に気を引き締め、子供たちを怪我させてしまうという本末転倒なことにならないよう精進します。
失敗の共有:ラブリコ横突っ張り作戦
最後に失敗事例もご紹介しておきます。先ほど少し触れましたが、実はこのバスケットリングは当初の構想から変更されています。

これを仮組で実現してみたんですが…

リングがグイーンって傾いちゃってダメでした。この実験をもとに、原因の考察からラブリコ横突っ張りの可能性の検討まで別記事にまとめていますので、ご興味ある方は参考にしてください。
参考にしていただいた方の作例
本記事を参考にバスケリングを作成された方の様子をご紹介します。
その1@Twitter
北欧風ボードのオプションがかなりイケてます。
確かにボードがあった方がバスケとしては良いですし、絶妙なカラーリングにすることで主張もコントロールできるので、良いですね。
バスケットリングまとめ
紆余曲折も若干ありましたが、無事に素敵バスケットリングが完成し、子供たちも毎日楽しそうにフリースローやってて私は大満足です。
4歳息子との日課になったフリースロー対決は、距離のハンデを付けても大きく父が勝ち越していますが、そのうち抜かれる日が来るんでしょうねぇ。楽しみです。
バスケットリング作りにチャレンジされる方に本記事が少しでも参考になっていれば幸いです。ご質問等ありましたら本記事最下部のコメント欄からお気軽にどうぞ!
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