DIYを始めたての頃はハードルが高くて億劫だった塗装作業も、今ではテレワークの昼休みなどのちょっとした時間を使って塗装作業したりするくらいには気楽にできるようになりました。
乾燥時間が必要だもんね
そんな私はこれまでにボルダイングウォールやうんてい、登りロープやつり輪等を狭いマンション内にDIYで製作してきましたが、色々作るごとに塗装の要領(サボり方)が確立されてきましたように思います。
そこで本記事では、基本的に面倒くさがりの私が確立した素人による素人なりの木材塗装方法をご紹介します。
クオリティとコストのベストバランスを探求しています
対象とする塗料
- 水性塗料(アクリル樹脂)
- 水性ウレタンニス
私が使ったことのあるのは上記ですので、これらの塗装では本記事で紹介する方法はどなたでも再現性が高いと思いますが、他の塗料でも水性であれば同じ工程で問題ないと思われます。
木材塗装の大まかな流れ
全体の工程は以下の通り。多く見えるかもしれませんが、作業時間自体は多くなく、ほとんどが乾燥時間です。研磨・塗装時間は塗り面積に比例します。
- 角を落として痛くないようにする
- 表面をスベスベにする
- 用具の準備
- 周辺の保護
- 塗る
- 待つ
- ボツボツや凸凹ができたら軽くヤスる
- ヤスリすぎるとハゲる
- 塗る
- 待つ
- もっと濃く塗りたい場合はもう1周
- 満足な色になってたら仕上げに軽くヤスる
- ヤスリすぎるとハゲる
- 拭いて完成
研磨→塗装→乾燥を最低2周やって、最後に仕上げの研磨したら完成です。
最初の研磨
ではここから各工程の詳細をお示しします。
まずは最初の研磨作業について。買ってきたての木材はトゲトゲしてたり角張ってたりするので、滑らかスベスベお肌に変えてフレンドリーな感じにしましょう。
角の落とし方
人の手に触れるようなところは角張ってても良いことないので、思いっきり削って丸めてあげましょう。
ハンドサンダーを使う方法
私が愛用しているのはダイソー(百均)に売ってるハンドサンダーです。
これが一番手軽でオススメです。ハンドサンダーを使うと木材の角がどうなるのか、杉無垢の天板を作った時を例にご紹介しますと、
こんな風に角張っちゃってる買いたてホヤホヤ杉無垢ちゃんを相手に、ハンドサンダーでゴシゴシしていきます。
まずは一番荒い#80でがっつり削り、次に仕上げとして#240~#400くらいでシャシャッとやれば…
あっと言う間に丸みを帯びたかわいこちゃんに変身しました。とっても簡単です。
200円は正義
電動サンダーを使う方法
電動サンダーをお持ちであればもちろん使えます。私も初めの方は電動サンダーをつかっていました。持ってるのはこれです。
電動サンダーの場合、ヤスリ部分が勝手に動いてくれるのでラクできそうですが、角を落とす作業の場合は電動工具自体の重みを支える方が大変な印象です。
バッテリー式だから結構重いんですよね
なので私はハンドサンダーを知ってからは、角落としには電動サンダーを使っていません。
表面の削り方
表面もハンドサンダーでできますが、広範囲になってくるとムラがちょっとしんどいので、電動サンダーに分があります。表面の場合は電動工具の自重を全て支える必要がなく、木材に預けてしまえばいいので、しんどくありません。
私はいつも電動サンダーを使って付属の#120のペーパーのみで仕上げます。
十分なスベスベ感
塗装の準備・用具
ヤスリ工程が終わったら塗装に入ります。きれいに塗るために2度塗りは必須。
木目を完全に消したいときなんかは3度塗りします
そのため、乾燥時間を置いた後に再度塗り作業がラクにできるよう、作業場所・用具準備でも配慮します。
段取り大事
塗装作業場の養生
マンション住まいのわが家の場合、塗装作業場はベランダ(バルコニー)です。
ここが私にとってのガレージ(車は入りませんが)
そのためもれなく狭いですし、エアコンはまだしも柵や床面など汚したくないものが近くにあります。
水性塗料の場合は結構簡単に取れるので神経質になる必要はありませんが、それでもその作業は面倒なので、養生してしまうのが良いでしょう。
私は最近ではダンボールを使います。ある程度の硬さ・重さがあるので、風なんかで動きにくいんですよね。
初めはビニール袋を敷いてやっていましたが、風でバサバサするのが鬱陶しくて扱いづらかったです。
塗装用具
用具 | 用途 |
---|---|
塗料 | 見た目をきれいにする等 |
ハケ or ローラー | 塗料を塗るため |
紙皿 | 塗料をここに出してハケに着けやすくする |
ビニール手袋 | 塗料が手に付着するのを防ぐ |
ジップロック | 乾燥工程中にハケが乾くのを防ぐ |
ハケ
百均のものだと抜け毛が気になるので、ホームセンターの数百円のものを使っています。
塗装に毛が混入したらいやなので
使い捨てではないので、ちょっとお金かけても良いかなと思ってます。
数百円でよく言うわね
初使用時には抜けちゃってる毛を取りましょう。ガムテープの上でシャッシャって何度かやったら取れます。
ローラー
広範囲を塗るときはローラーが便利です。ローラーは抜け毛の心配がありませんから百均で十分。私はダイソーのものを使ってます。
そんな素敵ローラーですが、デメリットがあります。
- 細かいところが塗れない
- ローラー部は基本的に使い捨て(50円/回)
- 塗るときに塗料が飛び散りやすい
大面積を塗るときにはオススメですが、私は板材を塗るときのみローラーを使用し、2×4材などの長細いものはハケを使っています。
飛び散るのが地味にやっかい
紙皿
塗料を出す先は紙皿がおすすめです。百均で売ってるやつでOK。使い捨てましょう。
コップの方が残留塗料が少なくて済むかなと思い、大きめのプラスチックコップで試みたこともありましたが、大きいハケを使う場合は頭がつっかえて底に届かないという醜態を晒すことになるのでお気をつけて。
ローラーを使用する場合は大きめのお皿にしないと、カップと同じことが起こりますので要注意です。
ビニール手袋
塗装作業では必ず手に塗料が付きます。素手に付いても水性塗料であれば落とせますが、爪の中に入っちゃったりすると結構気合入れて洗わないと取れないので使い捨てビニール手袋を使うのがおすすめです。
これも百均で売ってます。
ジップロック
塗装には乾燥工程があるので、その間にハケやローラーが乾いてしまうと次の塗り工程のスタートダッシュが遅れます。これを防ぐため、ジップロックにハケ・ローラーを入れておくと、丸一日経ったあとでもジューシーな状態で残っていてくれます。
なおジップロックは旭化成の商標登録なので、正確にはフリーザーバッグ/ストックバッグという名称のようですが、もはやジップロックの呼び名が一般的ですよね。
サランラップ的な
まあ呼び名はなんでも良いんですが、今回の用途では本家ジップロックほど高級なものは必要ないので、百均で売っているフリーザーバッグ/ストックバッグでOKです。
塗装作業
準備が整いましたので塗装作業に入ります。この初回の塗り工程で注意するのは一点のみ。気合入れ過ぎずに薄くサラッと、です。
初回塗りでは木の中に塗料が入っていくので、どうせきれいに塗れません。なのできれいに塗るのは2回目以降に譲って、ここではサラッと下地を塗るノリで軽くやりましょう。
乾燥時間
初回の塗り工程を終えたら次は待ちます。直射日光を避け、陰干し。塗料ごとに指定された乾燥時間はパッケージに必ず載ってますのでチェックしてみてください。
乾燥時間は気温・湿度・塗料により変わりますが、重ね塗り工程があるのでここではあまり神経質にならず2時間くらいでだいたい大丈夫です。
1回目塗装後の研磨
待ち時間を終えたら木材を確認してみましょう。もれなくブツブツ・ザラザラかと思います。
でも焦ることなかれ。それで普通です。
サンドペーパーの細かいもの(#240~400くらい)を使ってほんと軽くシャシャッとやれば、出しゃばったツブツブたちが即刻退場されます。
ここも神経質にならず、まだ2回目の塗り工程があるので手で触って痛くない程度にヤスっておきましょう。ヤスったあとは塗料粉が出ますので、濡れ雑巾で軽く拭いておきます。
2回目の塗装
手でシャッと触って引っ掛からない程度にヤスれたら、2層目の塗装に入ります。ここからは最終的な見た目に影響するのできれいにいきましょう。
見た目を良くするための塗装であれば、頑張りどころですね
ムラが出ないよう、隙間なく丁寧に塗っていきます。とは言え、厚く塗りすぎると乾燥中に塗料がダレてしまうので、厚塗りは厳禁です。
「木目を消したいのになかなか消えない」という場合には、諦めて3度塗りを覚悟しましょう。ある程度のダレは最後の仕上げ工程の研磨で落とせるので、神経質にならなくて大丈夫です。
塗り工程が終わったら1回目と同様、乾燥させましょう。最終層の塗り工程の場合は、しっかりと乾燥時間を確保します。
私はだいたいいつも一晩置きます
仕上げ
しっかり乾燥していることを確認したら、最後に細かめのサンドペーパー(#240~#400くらい)で表面の凹凸をなくし、手触りよく仕上げましょう。つやを出したい場合などはもっと細かいサンドペーパーを使っても良いかもしれません。
私はつや消し派なので#400を愛用しています
ヤスった際に出た塗料粉を濡れ雑巾で拭き上げたら完成です。
後始末
あと始末をしっかりやらないと持続可能なDIYとはなりません。家族と同居しているならなおのこと。
ベランダ狭いんだからね
片付け・掃除はもちろん、作業完了後にすぐにやります。
ハケの後始末
ハケは、水性塗料の場合は水で落とせますのでジャブジャブやります。ただ、完全には落ちません。そのため、ハケは塗料の色ごとに用意するのが良いです。抜け毛の少ないハケがホームセンターで数百円で手に入るので、ここは潔く投資して、この洗い工程で精神力を消耗しないようにしましょう。
精神めっちゃ大事にしてるね
残った塗料
キャップ・蓋をしっかり締めて保管すれば乾燥することなくまた使えます。家の中に持ち込む場合は、容器に付いた塗料もしっかり乾燥していることを確かめましょう。
わが家の木材塗装実績
ご紹介した素人なりの木材塗装方法により、わが家で製作したDIY遊具・家具をご紹介します。
ボルダリングウォール
つや消しクリヤー色のウレタンニス塗装を施しています。
木材の色味を活かしたかったのでニスにしましたが、触感がスベスベで上質になり、また子供たちが色鉛筆で落書きしても消せるようになったので木材表面が丈夫にもなりました。
うんてい
木材部には全てつや消しホワイト色の水性アクリル塗料で塗装を施しています。
なお、バー部分はステンレス製のため金属塗装。ベージュ色としています。
登りロープ・つり輪
ロープ・つり輪を垂らしている梁・長押部材が木材で出来ており、うんていと同じく水性アクリル塗料でつや消しホワイト色にしています。
バスケットボールリング
支柱をつや消しホワイトのアクリル塗料で塗装しています。リング部分は鉄製なので金属塗装でベージュにしています。
キッチン・ダイニング用モニター
バスケットリングと同じ要領で、ラブリコで突っ張った支柱をアクリル樹脂塗料でつや消しホワイトにしています。
木材塗装まとめ
登りロープを皮切りに始めたDIYですが、実績を積むごとに塗装作業はうまくサボれるようになり、適当でいいところ・丁寧にやるところのさじ加減を掴めてきたように思います。本記事ではそんなうまくサボる方法をお伝えできていれば幸いです。
素人が素人なりに気軽に木材塗装できるようになれば、DIYの幅が広がり、生活はきっと豊かになるものと思います。ぜひチャレンジしてみてください。
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