コロナ禍によるテレワーク生活も2ヶ月が経過した頃、ふと思い立って着手したデスク環境改革。その一環でスタンディングデスクFlexispotの導入を検討した際、天板が別売りというキーワードを見た瞬間DIY熱が急上昇。

夢膨らむ
そして興奮状態のまま気付けば、思い立ったが吉日から5日でデスクが完成していました。

この天板、杉の無垢材を使っているので木目が綺麗で、そして何よりめっちゃいい香りがするんです。
本記事では、DIYの真骨頂として希望をふんだんに詰め込んだ杉無垢の天板について、導入の狙いや施工方法、作ってから分かった気付き点などをご紹介します。
どんな感じに仕上がったか
まずは完成状態をご覧ください。





デスク天板に求めたもの
このデスクは仕事用です。快適な仕事環境のために天板に求めたのは、
- 美しさ
- 手になじむ感じ
- 癒しと発奮

ちょっとよく分かんないわね
リラックスして集中したい一方、やるぞっていうやる気も起こしたいので贅沢な要求です。実現性はひとまず置いておいて、まずは夢を描きます。
現実的な制約
しかしここは2020年の地球。そして私はしがないサラリーマン。物理的・経済的制約がございます。
- 別途選定した脚(Flexispot H2シリーズ)に適合すること
- 大きすぎないこと
- 子供たちの遊びスペース確保が最優先
- 低コストなこと
- 標準品の1.1万以下が目安。超えちゃダメ
- 高くない素材(ホムセンで普通に買えるやつ)をチョイス

今回の制約は大したことない。余裕です
導き出した仕様
夢と現実を突き合わせ、妄想上で完成したデスク天板の仕様はこんな感じです。
サイズ
仕事用デスクとは言え、パソコン操作さえできれば良いのでそこまで大きなものは必要ありません。そのためムダに大きくする希望はありませんでした。
そうするとサイズは制約から決まります。すなわち
- 別途選定した脚(Flexispot H2シリーズ)に適合すること
- 大きすぎないこと
です。Flexispot H2シリーズの天板との結合方法・寸法を確認しました。

実物を計測すると、ぴったし幅1100mm×奥行600mmです。
これに適合、すなわちこれよりも大きく、かつ大きすぎない天板サイズとして、ギリギリ+αの幅1110mm×奥行610mmとしました。

脚が天板から出っ張るのは絶対避けたいがための+10mmです
厚さは、あとでモニターアームを付ける予定があるので、剛性を確保するために25mm程度欲しいところです。後述の通り、売っていた材料サイズで24mmに最終決定しました。
杉の無垢材を使用
素材を決めるにあたり、まず初めに難しそうな要望である「美しさ」「癒し」について思いを馳せました。するとすぐに思いついたのが、
- 木目がきれい
- いい香りがする
ような木材。小さい頃からキャンプが好きで、木の香りに癒される体験をしてきたので、もはやこれは天が与えたチャンスだ、今やらないでいつやる!とよくわからない使命感にもかられ、木目が綺麗でいい香りがする木材とすることに決定。
で、いい香りがする木材と言えばヒノキ。が、調べてみると意外や意外、ヒノキよりもスギの方が癒し効果が高いという実験結果が出てきました。
東京大学名誉教授の有馬先生(宮崎県木材利用技術センター所長)のマウス実験に面白い結果があります。それは、「マウスによる床材の嗜好性試験」というものです。
コンクリート製の巣箱の中央に通路用の穴をあけた隔壁を配置し二分された部屋の床に材質の異なる建材を床張りしてマウスがどちらの部屋を休息の場に選ぶのかを調べました。この巣箱には一匹のマウスを入れ、1時間ごとにどちらの部屋にマウスがいるのか2日間観察します。観察時に5分以上マウスが継続して静止休息している状態のものだけを数えデータとしました。
まず、スギvsコンクリートでは156匹:11匹です。
つぎに、スギvsヒノキでは160匹:6匹です。
面白いのはヒノキvsコンクリート。数の上では、84匹:73匹ですが1日目と2日目で傾向に変化が生じました。1日目は明らかにコンクリート側に偏っていたのが、2日目にはヒノキに偏ったのです。有馬先生はその理由をこう述べています。
「その理由として初日はヒノキの香りが強烈で避けていたが、2日目には熱を奪われないヒノキに移行したと推測される。」
引用元:http://www.sugiokatoshikuni.com/?p=246
少なくともネズミは杉の方に癒しを感じるようです。
なので杉でも良いかなぁと思ってホームセンターに行くと、ありました、桧も杉も。

そして嗅ぐ。うーん良い香り

そして嗅ぐ。うーんめちゃくちゃ良い香り
実物を嗅いでみると、桧の方が「はぁ~(*´Д`)」ってなるんで、悩みます。
あとは美しさも重要なので木目をチェックします。並べてみました。

桧の方が比較的柔らかい印象で、節がピンクがかってました。一方の杉は全体的に赤みがかったものが多く、節は黒で濃い印象です。
総じて個体差激しいです(汗)
ってことでこの後在庫分全部引っ張り出して見比べること小一時間。。。

赤みがかった杉たちの中でひときわ黄色気味の子がいましたので、この子に決定。赤っぽいのは好みじゃないのと、部屋にも合わないかなと思いまして。
桧と最後まで悩みましたが、「迷ったときは安い方」のポリシーに基づき判断しました。
天板の加工・組付け
材料の選定・調達が完了しましたので、施工に入ります。段取りは以下の通り。
- 必要サイズに切り出し
- 表面や角をヤスる
- 脚を組み付ける
- ワックスを塗る
必要サイズに切り出し
素材外形が1820mm×910mmなのに対し、必要サイズは1110×610mmなのでカットが必要です。が、私はあいにくカット用工具は丸ノコしか持ってません。

最大切込深さは21mmで足りず
なのでいつも通り、杉板を購入したホームセンターでカットしてもらいます。1カット50円なので2カット100円。良しです。

表面や角をヤスる
デスク天板ですから直接体に触れる機会がとても多いため、ヤスリがけは必須。特に角はそのままだとトゲが刺さるくらいで痛いです。ヤスりましょう。
思いっきり角を落としたいので、ここで電動トリマーの導入も考えましたが、届くまで待てないほどのDIYフィーバーぶりでしたので、ヤスることにしました。
ちなみにポチ寸前まで行ったのはこれです。
しかし後から(この記事を書きながら)知りましたが、私の愛用するB&Dマルチツールにも別売りでトリマーのアタッチメントがあることが判明。
こっちの方が安いし場所取らないので、次何か家具作るときはたぶん買っちゃいます。
さて、気を取り直して。電動工具に頼らずにどうやって角を落とすかを考えます。
ここは素直にヤスリですね。が、あいにく木工用のいかついヤスリは持ってません。
ホームセンターに買いに行くかなぁ、でも1000円はするだろうなぁと二の足踏んでたら、気付いた時にはダイソーに着いてました。困ったときの百均です。
今回ダイソーで素晴らしいものを見つけました。

サンドペーパーでどれくらい削れるのか不安だったんですけど、このハンドサンダー使えば力入れやすくて結構角落とせました。



紙やすりだけでやるより断然効率がよくムラも少なくなるように感じましたので、オススメです。

私もこれから愛用します
表面はそれなりに面積があるので電動工具を使うとラクです。先ほどのB&Dマルチツールにサンダーが付いてるのでそれを使いました。
が、これくらいの面積であれば紙やすりでもそんなに労力かかりません。先ほどのハンドサンダーがここでもその力を発揮してくれるでしょう。
こんな感じで、自分が納得するまでこれでもかってくらい滑らかにしていきます。
脚を組み付ける
まだワックス塗りが残っているのに先に脚を組付ける理由は2つ。
- 裏面にはワックスしない
- ワックス乾かすときに脚付いてた方が便利そう
裏面にワックスしないのは、杉のいいかほりを残せるかなと考えたためです。

前面ワックスするとスギちゃん窒息しちゃいそう
木粉だらけの杉無垢ちゃんを綺麗にしたあと部屋に招き入れ、デスクの脚を組付けます。

木目や節の感じから表にしたい方を決め、選んだ方が下になるよう注意下さい







ちなみにノースタンディングでシッティングオンリーの場合はたくさん選択肢がありますので下記の「~で探す」でチェックしてみてください。
ワックスを塗る
組み立てが完了したら最後にワックスを塗ります。
ワックス塗装の目的は、
- 濡れやすく汚れやすい木表面を保護する
- 木が持つ本来の表情を維持もしくは向上する
です。特に保護は必要不可欠。

仕事しながらお茶飲んだりしますので
塗装の選定
同じような目的ではオイル塗装やウレタン塗装という選択肢もあり、特徴は概ね次の通りのようです。
種類 | 特徴 |
---|---|
ワックス塗装 | さらりと無塗装に近い仕上がり 木の表面にとどまって汚れから守る |
オイル塗装 | 木目や色味が際立つ 木に浸透して木を保護する |
ウレタン塗装 | 表面に硬い膜をつくる 保護力は最強 |
オイル塗装だと耐水性に不安があり、また濡れ感が出やすいということなので濃い色にしたくない私としては却下。
またウレタン塗装は、その保護力こそ魅力ですが木の柔らかい触感を失ってしまうので、却下。
ということでワックス塗装に決定です。
数あるワックスの中から私が選択したのは未晒し蜜ロウワックス。
自然素材だけで出来ているのが売りのこの蜜蝋ワックスは、全員が敏感肌なわが家には最適と考えました。

未晒し蜜蝋ワックスの塗り方
公式HPの要領に則って塗っていきます。

公式では「カーワックス用のスポンジを用意してください」となっていますが、私は持ち合わせがなかった(車に取りに行くのがめんどくさかった)ので、ウエスを使います。用意したのは以下。
- 未晒し蜜蝋ワックス
- スプーン(硬いやつ)
- ウエス2枚
- 塗る用
- 乾拭き用
未晒し蜜蝋ワックスの蓋が固いので、硬めのスプーンの柄でテコの要領で外すとなんとか外れます。
ウエスはなんでもいいと思いますが私はこれ使ってます。

半面ずつ、塗っては乾拭きしてを繰り返しました。

ぎゅっと押しつけないように、薄くケチケチと塗っていくのがコツらしく、意識的にやってみましたがこれくらいのムラはできてしまいました。
それでも「ムラはあとでマシになるから気にしないで良いよ」という公式さんの言葉を真に受け、上面と側面に丁寧に塗っていき完成。乾燥のため、そのままひと晩寝かせます。

塗ってから8時間ほど経過した様子です。まだムラが見えますね。前半は下手くそだったのも良くわかります。

今ではこんな感じでムラは全く気にならないです。ということで未晒し蜜蝋ワックス塗りは初心者でも簡単と言ってよいと思います。
未晒し蜜蝋ワックスの使用量
ちなみに使用量ですが、約0.7m2を塗って

これくらいしか減りませんでした。10mlくらいでしょうか。なので天板には100mlのもので十分ですね。また次に家具作るときに使いたいと思います。
未晒し蜜蝋ワックスの効果
ワックス塗装の前後で以下のような変化が見られました。
- 色が少し濃くなり木目がはっきりした
- 手触りがサラサラからスベスベに変わった
- 水をはじくようになった

少なくとも水分からの保護は効いているようです。
完成後の評価

完成したセクシー天板はこのようにして使っています。期待したことに対する評価をしてみます。
美しさ

美しいです。惚れ惚れするほどに。完成後はムダに何度も見に来てしまいました。
手になじむ感じ
柔らかいがために天板としては不適とされる杉ですが、逆にそのおかげで温かいなじみを感じます。

お父さんポジティブだね

また角を頑張って落とし、天然素材の未晒し蜜蝋ワックスにしたので、使用時には文字通り痛くも痒くもありません。優しいです。
癒しと発奮
癒し効果は杉の香りに期待しました。これも大丈夫、しっかり香ってます。芳しいです。
と言っても、部屋に入るたびに香るだけで、部屋にいたらすぐ分からなくなります。それでも香りが出ているのは間違いないので、脳に直接訴えている癒し効果には引き続き期待できます。
ついでに、木目がセクシーなのでやるぞって気にさせてくれます。なんとなく。発奮もクリア。知らんけど。
コスト
最後にコスト評価です。
工具入れても7千円。正規品の2/3くらいのコストで作れました。合格です。
導入して初めて分かったこと
総じて大満足の杉無垢デスク天板ですが、意外だったこともありましたのでお示ししておきます。
とてもデリケートで凹みやすい
杉無垢ちゃんのデリケートさは使用開始後もまざまざと見せつけられています。
- 良く見ると元々ところどころに凹みが見られる
- ガツンと硬いものを当てるとまあ凹む

凹みも愛でるしかありません。

お父さんポジティブだね
凹みは許容し愛でる方針なものの、可能な対策は採ります。
凹み対策①:マウス
ひとつはマウス。普通のものはデスク上を滑らせる必要がありますが、杉無垢の表面は滑りにくく、またシャカシャカやっているとキズ付くのは必至です。
そこでトラックボール型のマウス。

これだとマウス自体はデスクに対して動かさないのでキズは付かず、デリケート杉無垢ちゃんと相性がとても良いです。
私が使っているのはこれ。

意外とすぐに慣れて、ラクチンです
凹み対策②:腕時計
キーボードを打つときに腕時計の金具が杉無垢ちゃんにめり込む格好となります。
私は腕時計としてFitbit Chargeシリーズを愛用していますが、バンドをオールシリコンタイプに変えているため、凹み対策となっています。
杉無垢天板の導入記まとめ
夢に描いた癒し系セクシー天板を低コストに作ることができ、非常に満足度は高いです。またハンドサンダーや未晒し蜜蝋ワックスという新たな魅力的アイテムも手に入れ、収穫のあるDIYでした。
天板DIYにチャレンジされる方々に少しでも参考になれば幸いです。
私が導入したスタンディングデスクFlexispotについてもご興味あれば、以下のレビュー記事をご覧ください。
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