ときは令和、DIYで誰でも簡単に柱を立てられてしまう時代です。
そう、ディアウォールやラブリコを使えばね。
平成からそうだよ
両製品とも2×4材の両端に配置して突っ張るという方式は同じです。
しかし、それぞれに特徴があるので用途によってどちらを選ぶかは悩ましいところ。
そこで今回は、
“支柱”に適しているのはどちらか
という観点に絞って比較検討しました。
というのも、私自身がモニターアームをダイニングに設置したり、DIYでボルダリングウォールや壁面収納型ハンガーラック、バスケットリングを作ったりする際に支柱を自前で立てる必要があったためです。
重いものを吊ったりクランプしたりする支柱は、文字通り支えとして活躍する必要がありますので、いろいろな方向の力に耐えないといけません。
そんな観点で、支柱としてのベストチョイスはディアウォールなのかラブリコなのか、調査・実験した結果をまとめます。
ディアウォール(DIAWALL)はこんなの
公式HPはこちら。
ラブリコ(LABRICO)はこんなの
公式HPはこちら。
ディアウォールとラブリコ、支柱に適してるのはどっち?
両者とも、柱を天井と床で突っ張って支える方式であるのは同じです。
壁や天井に穴を空けなくて良いのがいいわね
値段や見た目などに違いはありますが、支柱に向いているのはどちらかという観点で重要な違いは次の通り。
- ディアウォールはばね力のみで柱を突っ張る方式
- ラブリコはねじをグリグリして突っ張る方式
超簡単!
ただこれだと、どうしても固定力を保証できないんですよね。
突っ張り力がばねの縮み具合によるので。
だからか、ディアウォールは公式サイトで耐荷重を明記していません。
ちょっと不安
一方のラブリコは、ねじでグリグリと固定する方法。
一般的な突っ張り棒と同じ方式ね
こちらも公式動画がご確認ください。0:30~1:05くらいです。
この方法だと、ねじの締め付け力で柱の突っ張り力をコントロールできるので、柱の保持力がある程度保証できます。
「再現性がある」ってことね
ですので、ラブリコでは公式サイトで耐荷重値が明記されています。これはディアウォールとの大きな違いですね。
グリグリがちょっと面倒だけど、初めの一回しかやらないからね
重いものを支えるような支柱として使う場合は、柱の保持力が保証され、確実に強く突っ張ることができるラブリコが優位と言えるでしょう。
特に、重いものを支えたり、横方向に力を加えるような使い方をする場合は、ラブリコの方が頼もしいです。
かと言ってディアウォールが貧弱なわけではない
ディアウォールめちゃへぼみたいに言ってしまいましたが、名誉を守るためにも補足しておきます。
ばね力だけで保持するディアウォールですが、その保持力はなかなかのものです。
このYoutubeがわかりやすいです↓
大人の男性が乗っても大丈夫なくらいなので、動かないものであれば問題なさそうです。
柱ズレ防止をしましょう
柱の横から力が加わるような使い方をする場合は、柱がズレてしまうので、対策を打ちましょう。
例えばモニターアームの場合なんかがそうです。モニターを毎日何回もグリグリ動かすので、そのたびに動かれたらたまりません。
私、それで一回失敗してます
超簡単!
両面テープは薄いものを選んでください。せん断方向(滑る方向)に少し抵抗があれば良い程度ですので、薄いもので十分です。
それは本末転倒だね
ちなみにディアウォールの場合は先の動画の通り滑らせて入れる挿入方法なので滑り止めを入れるのがとても難しいと思われます。
きっと挿入できなくなっちゃうね
ラブリコのデメリット
そんなオススメラブリコですが、唯一とも思えるデメリットがあります。それは「緩む」可能性があること。
突っ張り力をネジグリグリで生み出していますので、逆にこのネジが緩むと突っ張り力が減り、柱が倒れてしまいます。
私の場合、バスケリングでこれが起きました。
ある日、バスケリングで遊んでいたらグラグラ緩んでいることが判明。見ると突っ張りが効いていない状態になっていたのです。
接地した時は確かにちゃんと突っ張ったんですが…
ラブリコが緩む原因の考察
原因は2つ考えられます。
- ボールによる度重なる衝撃負荷でねじが緩んでいった
- 気温・湿度の変化により柱が縮み、突っ張り力が減った
1について、十分ありえます。リングにボールがガンガン当たりますので、少しずつ少しずつ、ねじが動いて緩んだ可能性があります。
2について、こちらもありえます。ゆるみが確認されたのは10月上旬。ちょうど気温が一気に下がった日で、最高気温は14℃しかありませんでした。物体の線膨張は割合で発現しますので、柱が長ければ長いほど、温度差による縮み”量”は大きくなります。その結果、柱が倒れるほどに突っ張り力が減る可能性は高まります。
要は長い柱ほど縮みに要注意ってことね
対策①:ゆるみチェック
簡単な対策としては緩みチェックが有効です。定期的にラブリコネジにアクセスして、緩んでないかチェックし、緩んでたら増し締めしましょう。ねじが高すぎて触りにくい場合は、柱をグイグイ押してちゃんと突っ張ってるか見るだけでも十分です。
特にチェックしたいのはこんなとき。
ちょっと面倒ですが、安全のために習慣化するのがおすすめです。
対策②:転倒防止ビス
次の対策は、緩み自体を防ぐ方法ではありませんが、緩んだとしても前に倒れてきて危害を加えることは防ぐ、という安全対策になります。
ラブリコを上の写真のような向きで使っている場合は特に、前に倒れるリスクが高い状態です。転倒防止ビスを打つと安全対策としては有効でしょう。
ただ、天井にビスを打つことになるので、壁・天井に穴をあけなくて良いというラブリコの最大の利点に反する行為ではあります。
うまみ半減…
私は対策①の習慣化により、まだ二度目の転倒を味わっていませんが、高頻度に緩むようなら小さなクギを2本打とうかなと考えています。
対策③:ディアウォールにする
なんとここで不利と言い放ったディアウォールが登場します。この緩みに対しては、ディアウォールの方が有利とも言えるのです。
ディアウォールはばね力のみで突っ張る方式です。
そしてそのばねの縮み量(ストローク)は大きく設計されています。ばねを縮ませながら柱を滑りこませて設置するデザインだからですね。
これが奏功します。すなわち、ディアウォールなら、
んです。
やるじゃんディアウォール
ディアウォールは耐荷重性能で不利な部分がありましたが、その仕組みから、耐緩みの観点では有利と言って良いでしょう。
まとめ
ディアウォールとラブリコ、支柱に適しているのはどちらかを検討した結果、以下のような評価となりました。
総合判断として、私はラブリコに軍配が上がったと考えており、家にはいたるところでラブリコを使っております。
ただし大きな荷重がかからない使い方や、衝撃荷重が繰り返し負荷されるような使い方の場合は、ディアウォールが良さそうです。私もバスケリングはディアウォールに変更するかもしれません。
あっ、めんどくさがってる
滑り止め処置や緩みチェックもしっかりしていただき、みなさんも気軽に柱をおっ立てて下さい。
支柱を制すれば、モニターアームやボルダリングウォール、壁面収納型ハンガーラックなどを家の中に気軽に導入できるようになります。
▼ラブリコ導入例
▼ディアウォール導入例
コメント
コメント一覧 (2件)
この比較記事、自分には超タイムリーでした。ボルダリング壁設置以来ラブリコを買いまくってましたが、購入したのは当初強化版が多く、そこそこ高くつくなと思っていました。ある時期からコスパ重視でディアウォールとラブリコの通常版に変えたのですが、、新居に引っ越してあちこち柱を再設置する際に、ディアウォールとラブリコ(通常版)のもう一つのデメリットを体感しましたので、共有いたします。それは、『2×4柱に挿した状態での移動のリスク』です。どういうことかと申しますと、ラブリコの強化版は構造上上部のバネ部分が落下しないようになっており、パーツ全体を柱に差し込んで移動しても簡単には外れません。が、通常版のラブリコとディアウォールに関しては、上部パーツの落下のしやすさがとても気になりました。実際、ディアウォールを建てようとして、一箇所ではあるものの、せっかくの入居直後のフローリング床にディアウォール上部パーツの落下で傷が、、(涙)下になにか、布団でも敷いておけばよかったものの、後の祭りです。この点、実は地味に気にしていまして、今後当面は2×4柱を建てる際にはラブリコ@強化版のみで我が家は行こうかと思っております。。いえ、もちろんれもん飛行機さんが記述のようにディアウォールにもメリットは多く、見た目のスッキリさとか、優位点は多々あると思います。が、結構今回の件はトラウマになりました(汗)。単純に私のやり方に問題があったわけですが、これも体験談として共有できたらと。
こちらでもコメントありがとうございます!
分かります、私も落としたことあります(笑)
私はラブリコ強力タイプを使ったことはないのですが(高くて手が出せない)、最近は専ら「ラブリコアイアン」です。見た目が好みで選んでるんですが、またこちらは木材に端部構造をネジ留めして固定してしまうので、落下の心配もありません。
ただ、天井が弱いところ(梁直下やコンクリ以外)でやる場合は、ばねが入ってない分ちょっと気を使うので、強化版のほうが断然気楽で頼もしいですね。
体験談の共有ありがとうございます。また面白いこと(失礼)起きたら共有してくださると嬉しいです!!