大人になり社会人になるにつれ、どんどんやるべきこと・やりたいことが増えていきます。
そんな数ある「やること」を差し置いてでも、優先的に運動に時間や労力を投資すべき、というのが本記事での主張です。
そこまでして得らえるメリットとは何か。
それは体のみならず脳・心を鍛えることができる点です。
そう、運動によりまずはスーパーサイヤ人になってから
スマート脳で高効率に、
溢れるバイタリティで疲れ知らずに、
しなやかで強くめげない心で
数ある「やるべきこと」をやる、という作戦です。そして幸せに生きる。
急がば回れ、ですね
疑わしいわ
かく言う私は、仕事は基本的にデスクワークで、積極的に動かなければ1日3000歩しか歩かないなんて状態に陥ってしまうイマドキ日本人です。
しかしながら、毎日昼休みに職場のグラウンドで体を動かし、週末にも子供と一緒にアスレチックに登るという運動大好き人間でもあります。そんな中で、運動が日々の生活に与える好影響は実感しているところ。
No 運動, No Life.
そこで本記事では、運動の効果を最新の研究結果等から明確にし、忙しい中でも運動に時間・労力・精神力を割くことの正当性を確認します。
屁理屈は許さないからね
勉強の末、私が出した結論は「今すぐ運動習慣を作らないと損する」です。
どうゆう理屈か。それは脳・体・心の仕組みを知ることでわかります。
ついでに、脳の仕組みを知ることで、習慣を築くテクニックも手に入れちゃいましょう。
人生を豊かにするために、運動は最強の手段です。
運動により得られる効果とは?
運動すれば健康体に近づくということは、誰でも知っているところかと思います。
しかし運動で鍛えられるのは体だけではありません。同時に脳・心も鍛えられるのです。
すなわち運動の効果とは、
- 脳の性能を上げられる
- 健康体で死ににくい体になる
- ストレスに負けない強い心が手に入る
とまとめることができます。
最高だねっ
それぞれの具体的な効果を順に見ていきましょう。
ここではその概要のみを抜粋して紹介しますが、その詳細や根拠を知りたい場合はぜひこの本をご一読ください。何百という研究論文に基づいて語られる内容は圧巻。
また、これらの論文の多くが最近のものである(2000年以降)というから、驚きです。
我々が子供の頃に聞いた常識は、今や大きく変わっています。最新の研究成果に感謝し、生活を豊かにするためにこれを有効活用しましょう!
運動により脳の性能を上げる
まずは「運動と脳」の関係からいきましょう。
運動により脳を活性化させます。
そして学習が容易な脳を作り、家事や育児も含む仕事力を向上させることで価値を生みます。
疑わしいわ
まずは私たちの脳のことを知るところから始めましょう。
「学習する」とき、脳の中では何が起きているのか
脳の微小な世界において「学習」とは、「情報を伝達するための神経細胞(ニューロン)同士を”新しく結びつける”こと」を意味します。
出た、ニューロン!
ここではニューロンの仕組みや役割の詳細を知る必要はありません。「脳内ネットワークのキーパーソン」程度のイメージでまずはOKです。
脳内ネットワークのイメージはこのTEDのはじめ1~2分くらいのところがとても分かりやすいです。
このニューロンの結びつきを強める、すなわち記憶を定着させるためには繰り返しの学習が必要と言われています。これは2000年のノーベル賞をもたらした発見です。
聞いたことあるわ
現在でもこの分野の研究はどんどん進められており、脳は思いのほか柔軟である(可塑性がある)ことが立証されています。すなわち、脳の配線はかつて科学者たちが考えたように固定されているのではなく、絶えずつなぎ直されているらしいのです。
昔は「頭を良くする」=「脳のシワを増やす」というイメージで教えられましたが、現在では少し語弊があるかもしれません。一度刻まれたシワでもその後の使う頻度次第で消えもするし増えもするということがわかったからです。
私のお肌はシワ知らず
なんにせよ、脳は使えば使うほど、より強く、よりしなやかになるものだということが確認されたという事実は、我々大人にもありがたいニュースです。これの意味するのは、大人になってからでも脳のシワを増やすことができるということですから。
肌のシワは減ってよし
私が子供の頃には「脳細胞は幼少期にしか増えない」と教わったものですが、ほんとありがたい発見です。
もっともっと賢くなりたい
ただここで気をつけなければならないのは、脳のシワが多いこと、すなわち「脳内ネットワークが複雑であること」イコール「頭が良い」ではないらしいという事実です。
アインシュタインの脳もシンプルだったんだとか。神経回路が複雑だと物理的にも信号伝達が遅くなるでしょうし、効率悪そうですもんね。
何れにしても、大切なのは脳の柔軟性であり、その性質により神経回路が何度も再構築されるという事実です。すなわち、最適な回路構成へ進化させることが可能ということですね。
じゃあどうやったら脳を変えることができるのか
前置きがすっかり長くなりましたが、いよいよ来ました。
勘の良い方はお気づきかと思いますが、そうです。
脳を変えるためには運動が必要なんです。
どうゆうことか。端的に言うと、運動をすることで新しい脳細胞が生まれ、思考回路を最適化し、そして脳細胞を強くすることができるのです。
もう少しだけ具体的に言うと、運動によりニューロンの枝先が生長し、新しい芽がたくさん出てきて、脳の機能がその根元から強化されるということ。これは最近の研究で分かったことです。
なんかすごそう!
この事実は、私たちの遠い先祖に思いを馳せれば理にかなっていると思えます。
元々私たちに学習能力が必要だったのは、食物を探し、手に入れ、蓄えるためでした。
一方、運動するためには燃料(栄養)が必要で、これを得るためには学習が必要です。
すなわち学習と運動は表裏一体の関係にあるのです。
運動により脳が活性化し学習する。このプロセスが保たれたことで、人間は環境に適応し、生き残ってこられたのです。
脳からすると「動かないなら学習しないよ?」ってところでしょうか。
頭を良くするためには運動するしかありませんね
頭を冴えさせる
まずわかりやすい効果として、運動をすると頭が冴えるというものがあります。
これは実際に経験のある方も大勢いらっしゃるかと思います。
この理屈も、脳の仕組みから説明できます。運動をすると脳内ネットワークの再構築が促され、いわゆる思考回路が柔軟に最適化されていきます。
この状態では、考えを臨機応変に変えたり、型にはまらない独創的な思考や解決策を次々に生み出したりできます。
アイデアが必要な会議を午後イチで控えている昼休みには、ジョギングして脳の準備体操をしておくのが良策です。
学習効果を高める
運動によりニューロンを発火させ、脳内ネットワークの成長を促す悶々状態を作ることができることは、すでに分かっていただけたかと思います。
しかしこの脳内ネットワーク、どんなに活性化していても信号が流れなければ消えゆくさだめです。生まれたばかりのニューロンは、使わなければ死んでいくのです。
走ってれば天才になるわけじゃないのね
そこで「刺激」が必要になります。この刺激がニューロンの結合を強めていきます。そうしてできた脳の回路は、情報が何度も通ることでさらに強くなります。
つまり、運動のあとに刺激の多い環境に身を置く、すなわち学習の機会を与えると、非常に高い学習効果が得られるということ。
仕事のため、家族のために、人生のため、これからも毎日勉強です。忙しい中で最高の学習効果を出すため、脳の仕組みを知った以上、利用しない手はありません。運動しましょう。
公園行こっ!
脳の老化を遅らせる
運動により、歳をとるごとに発症率が高まる病気、すなわち脳の老化とともにリスクが高まる以下のような病気の予防が可能となることが研究により明らかになっています。
- 脳卒中
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
これ以外にも、がんや骨粗しょう症、うつなどの精神疾患まで、運動により発症リスクを低減できることが証明されています。
脳を育てるのに最適な運動のタイプや量は?
この質問を誰もがしたくなるかと思いますが、研究者たちが最近この問題に取り掛かり始めたところだそうで、残念ながら未だ完璧な証拠がそろった状況にはないようです。
そんな中でも、実験的に示されている2つの例は参考になるかと思います。
激しく運動している間は難しいことは覚えられない
ある実験で、大学生を被験者とし、20分間ランニングマシンで走ったりエアロバイクをこいだりして、最大心拍数の70〜80パーセントという激しさで運動させながら、難しい試験を受けさせたところ、結果は惨憺たるものだった。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
これは、脳内のCEO的存在である前頭前野への血流が少なくなり、司令塔機能が果たせなくなるためだと言われています。
走りながら英語を聴いてもダメなのね
ただ、運動を終えるとまもなく脳に血が戻ってきてゴールデンタイムに突入するので、ここがアイデア出しや分析、学習の絶好のタイミングです。
有酸素運動と複雑な技能的動きの脳への影響
頭のキレを保つには、有酸素運動をどのくらいすればいいかについて、小規模ながら科学的根拠の確かな研究が日本で行われた。
それによると、30分のジョギングを週にほんの2、3回、それを12週間続けると、遂行機能が向上することが確認された。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
足を交互に前に出すだけでなく、もっと難しい動きに挑戦することも大切だ。数年前にグリーノーがラットで調べた実験では、ラットを2グループに分け、一方にはただ走らせ、もう一方には平均台や不安定な障害物、ゴム製のはしごを歩くといった複雑な運動技能を教え込んだ。
2週間のトレーニングの後、曲芸ラットは小脳のBDNFが35パーセント増加していたが、走るラットの小脳には何の変化も見られなかった。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
BDNFとは脳の成長のための肥料のようなものであり、BDNFが増えると、脳内ネットワークが強く広くなるのを促します。
このことから、有酸素運動と複雑な技能的動きはそれぞれ別の有益な効果を脳にもたらすことがわかりました。
単調な運動ばっかりは楽しくないから助かります
ですので、両方の運動を取り入れるのが良さそうです。すなわち、
という感じです。
運動で健康体を作る
次は「運動と体」の関係です。運動により体を鍛え、健康体を作ります。
これにより死ぬリスクを下げるとともに、やりたいことを好きなだけできる体力を手に入れます。
体動かすの大好き!
運動することで死ににくい体を作る
厚生労働省によると、運動をよく行っている人は、
- 総死亡率
- 虚血性心疾患
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満
- 骨粗鬆症
- 結腸がん
などの罹患率や死亡率が低いことが認められています。
また、今よりプラス10分からだを動かすだけで健康寿命が延ばせるとも謳っています。(厚生労働省HPより)
10分ならちょっと意識するだけでもできそうね
これは日本だけではなく世界規模で見ても同様です。
WHO(世界保健機関)は、全世界の死亡者数に対する 4 番目の危険因子(リスクファクター)として「身体不活動(運動不足)」をあげています。
ちなみに1位「血圧」、2位「喫煙」、3位「高血糖」です。日本では運動不足が3位に来ます。
このことからも、運動不足が死亡リスクを上げることが分かります。逆に言えば、運動することで死ににくい体を作ることができるのです。
ケガをしにくい、丈夫で軽やかな体を作る
最近はバリアフリー化や歩車分離なども進み、日常的なケガ・交通事故のリスクを減らす努力が社会規模でなされているように感じますが、それでもまだまだこれらのリスクは有意に高いです。
そんなとき、いつの時代でも頼りになるのはやはり自分の体です。
具体的には「丈夫で柔軟な体」「危険を回避できる運動神経」を持つことで、ケガ・死亡事故のリスクをかなり下げられます。
これらを手に入れるためには、運動しかありません。
細胞の回復力を上げる
もし体が傷ついたとしても、回復力が高ければ健全な生活に早く戻ることができますね。
細胞レベルでの回復力は、以下の3つの要素によってもたらされます。
- 廃棄物を処理する酵素(酸化防止剤)
- 神経保護因子
- プログラムされた細胞の死を阻止するタンパク質
これらは、次のストレス(細胞レベルの損傷)をやっつけるために臨戦態勢を整えた軍隊のようなものです。
頼りにしてます
この軍隊、なんと自分でストレスをかけることで鍛えられることが分かっています。
後でくわしく述べますが、運動をすることは脳にストレスをかけることになります。
これが、運動により細胞の回復力を上げることができる理由です。
バイタリティを醸成する
成長とともに、どんどんやりたいことが増えてきます。特に大人になると、1日の中でやるべきこと・やりたいことは膨大になってきて、取捨選択を迫られることになります。
そんなとき、1日24時間しかないという「時間の制約」ではなく、もう疲れて動けないからという「体力の制約」で行動の選択肢を制限してしまう人は、少なくないように思います。
体力オバケなあなたが羨ましいわ
体力オバケ、バイタリティの権化と言われるほどに満ち溢れる体力があれば、やりたいことをやれる可能性が上がります。そして、幸せな生活にもきっと近づきます。
体力をつけるためには、運動するしかありません。
運動によりしなやかで強い心を手に入れる
最後は「運動と心」です。運動により心を鍛え、しなやかで強い心を手に入れます。
そして常に心にゆとりを持ち、優しい人間を目指します。
たくさんのお友達と楽しくすごしたい
ストレスとはなんぞや?
「強い心」とは何でしょうか。どんな敵に対して強い必要があるのでしょうか。
敵やだ!お友達になりたい!
「ストレス」「不安」「欲」など、生きていく上で時に心の敵となるモノは色々あるかと思います。
まずは「ストレス」からいってみましょう。ストレスについて知るところから始めます。
このストレスという言葉はいろいろな意味・レベルで使われます。社会的ストレス、肉体的ストレス、「ちょっと気が張るなぁ」程度のものから「人生詰んだ…」というものまで。
まとめると、ストレスは体の均衡を脅かすものであると言えます。
ストレス超キライ
脳で言うと、ニューロンの活動を引き起こすものはすべてストレスです。
人を見つけて手を振るだけでも生物学的にはストレスになります。もちろん「ピアノの発表会」とは比べものにならないストレスではありますが、どちらも体と脳の同じ回路を活性化させています。
脳からするとストレスはすべて同じで、違うのはその程度だけ。
敵は、我々の生存を脅かす「強いストレス」です。
強いストレス下では頭がうまく働かない
強いストレスを受けたとき、脳はこれに対処するために「ストレスに関係のあるところ」にほとんど全神経を注ぎ、他の部分の活動を抑えるという適応行動を起こします。これは「闘争・逃走反応」と呼ばれていて、全身全霊をかけてストレス源に立ち向かい、また自分を守るために逃げようとする反応です。
こうなると、新しい情報は頭に残らなくなり、またすでに持っている記憶も取り出せなくなります。
やだやだやだやだ
これでは学習はおろか、効率的な行動や正しい判断もできません。
脳からしたら「そんなことしてる場合じゃない!このストレスから全身全霊で逃げるんだ!」状態ですから、当然ですよね。
しかも太る
そして追い打ちをかけるような悪影響が。
高ストレス下では脳はエネルギーをため込もうとします。すなわち、おなか周りに脂肪を蓄えるわけですね。
太っていることのデメリットは数え上げればキリがないのでやめておきますが、自信を持つことは強い心の維持のためにも必要と思いますので、心の育成の観点でも容姿は大切です。
当然、体が無駄に重くなると運動にも悪影響が出ますので、負のスパイラルに陥ります。これは避けなければなりません。
ストレスに対処する方法
そんなこんなで、強いストレスによる悪影響は大きすぎて許容できませんので、対処したほうが良さそうです。
対処法は大きく2つあります。
- ストレス状態から抜け出る
- ストレス耐性を上げる
そしてこれらは例のごとく、運動で効率的に手に入れられます。順に見ていきましょう。
ストレス状態から抜け出る
運動すると爽快な気分になるという感覚をみなさんも経験したことがあるかと思います。
これは紛れもなく、文字通りストレスから走り抜けた状態です。
理屈としては色々ありますが、感覚的に理解しやすいものをひとつご紹介します。
高ストレス状態、すなわち「闘争・逃走反応」の目的が、人間を行動に駆り立てることであることに注目します。
ストレス源と戦い、またそこから逃げるためには行動、すなわち運動が必要です。高ストレス状態における脳の反応は具体的には以下の通りです。
①アドレナリンがどっと分泌される
→筋肉の静止張力が上昇し、瞬時に動ける状態になる
→心拍数と血圧が上がり、気管支が広がる
→皮膚の血管が収縮し、出血しにくくなる
②エンドルフィンが分泌される
→痛みを感じにくくなる
→唾液も止まる
とにかく、生存が危ぶまれるから今すぐ動け!と体に指示し、臨戦態勢に入っているのがお分かりいただけるかと思います。
なので、脳の指示通り素直に運動することでストレスの悪影響を防ぐというのは、自然な手段だと考えられます。
運動によりストレス耐性を鍛える
運動をしているとき、脳は活性化状態にあることは先に述べたとおり。
そう、すなわち運動することは紛れもなくストレスなのです。
そうすると、運動することはストレスを生むことになってむしろ逆効果じゃないのか?と思いますよね。
しかし、そうではないんです。
まず第一に、運動におけるストレスは(もちろん程度にもよりますが)非常に軽いものであり、強いストレスを受けた時にとる「闘争・逃走反応」は発現しません。そのため、このストレスは心身に対して致命的なダメージを与える悪者ではありません。
友達になりたいな♪
第二の理由は、軽いストレスはむしろ体に良いという性質があることです。
少々のストレスを脳に与えると、一度ニューロンを傷つけるが通常は修復メカニズムにより十二分に回復(超回復)し、将来の問題に対処できるようにガードを固める性質があることが分かっています。
筋トレと同じですね
ニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。すなわちストレスによって鍛えられ、耐性を増していくのです。
これが運動によりストレス耐性を鍛えるロジックです。
なぜ運動が一番効果的なのか
脳のストレス耐性を高めるためには、軽いストレスを与えれば良いということがわかりました。
しかし軽いストレスを与える方法であれば他にもいろいろあるはずですが、ではなぜ「運動」を推すのか。
それは、以下3つのポイントで納得できます。
- 運動は、他のどの刺激よりもはるかに多くの成長因子(脳の超回復に必要なもの)を増やす
- 成長因子の一部は、筋肉の収縮によっても生成される
- 筋肉で生成された成長因子は、運動によって良くなった血流によって効率的に脳に運ばれる
運動すると頭がすっきりするのも、脳内に成長因子がどんどん運ばれて脳内ネットワークの再構築作業が行われた結果だったんですね。
解決手段を知ってるだけでストレスは減る
ストレス耐性をどんなに高めていても、ストレスに出会ってしまう、もしくは出会いそうになることはあります。
そんな時にも、幼少期から運動をしていると安心です。運動によりストレスが軽減されるという感覚が身についていますので、実際にストレスに直面した時にも対処することが可能です。
すなわち、運動で脳を管理する方法という武器を持っていますので、ストレス社会に自信をもって繰り出すことができるでしょう。
ストレスを感じてまいりそうなときに、「大丈夫、わたしはこれを解決する方法を知ってる」「頼れるものがある」と思うとホッとし、結果的にはそれだけでずいぶんストレスが軽減されるものと思います。
運動大好きなままでいたいな
家の中でじっとしていること自体がストレス
孤独は生存を脅かすため、人間の体はこのときストレスを感じるようにできています。
体をあまり動かさない人は、必然的に外に出て人と触れ合う機会も少ないので、ストレスを受けやすい状態にあると言えます。
運動を手段に、気付かぬ間にストレスを受けている環境から走り出しましょう。
不安・パニックからの救難ボート
誰しも、困難に立ち向かおうとする時には強いストレスを感じ、不安に思います。これは正常なストレス反応ですが、実際に脅威となるものがないのに不安になったり、普通の行動が取れなくなるのであれば、それは不安障害となります。パニック障害もその一つですね。
運動はそんな異常な不安に対しても効果を発揮します。具体的な効果は以下の通り。
1)気をそらす
体を動かすと、文字どおり不安から気をそらすことができる。不安やパニックを恐れてばかりいないで、別のことに気持ちを集中できるようになります。
2)筋肉の緊張をほぐす
不安障害の治療薬として「ベータ遮断薬」というのがあり、運動にはこれと同じように、交感神経系を遮断する働きがあります。これにより、体から脳へ送られ、不安を一層掻立てるマイナスのフィードバックを断ち切ることができるそう。この効果は筋肉の緊張が和らぐと発現するため、運動で筋肉の緊張をほぐすことで不安も和らぐことになります。
3)脳のコンディションを整える
これまで述べてきた通り、運動により脳はその時々に応じたベストな状態に自動的に変化しようと活性化しますので、不安に対しても必要な成長を見せます。詳細を知る必要はありません。動けば脳がよしなにやってくれます。
4)不安時の症状に慣れる
不安は交感神経系を活発にさせるので、心拍数が上がり、呼吸が速くなります。その状態に気づいてしまうとそれだけで不安やパニックが助長されてしまうというのが不安障害の症状です。しかし実はこれと同じ症状が有酸素運動でもをすることでも生じますので、運動によりこの感覚に脳を慣らすことで、不安が発散することを防げるようになります。
5)立ち直りが早くなる
不安やパニックを運動により制御できるということを学ぶと、ストレスと同じくそれだけで異常な不安が減らせるとともに、いざ不安に陥った時にも立ち直りが早くなります。これは心理学用語でセルフマスタリーと言うそうで、この力を高めていくことで不安な感情やうつに対する強力な予防策となります。
6)自由になれる
文字通りの意味でも比喩的な意味でも、身動きができなくなると人は不安を増す。だから逆を取れば良い。外に出て探検し、運動しよう。
運動を通じて社会性の発達が期待できる
ストレスの話ばかりしてきましたが、 他にも心・精神・性格に与える好影響があります。
そのひとつが、運動が社会性の発達に寄与するというものです。
厚生労働省が認めるこの効果は、皆さんにもご経験があるかもしれません。
例えば「いっしょにサッカーをするとすぐに仲良くなれる」とかの類ですね。
ひと昔前には「合同ハイキング」なんていう異性交流の場もあったようです。
知らんけど!
運動は社交の潤滑油となり、お互いの不安を減らすので、コミュニケーションの助けになります。
また運動は人に会うきっかけになるので、チャンスも増やせます。
運動によって元気とやる気が出てくると、社会的なつながりを作り、維持できるようになるバイタリティ・モチベーションになり、良いことづくめ。
自信をつける
子供のころも大人になってからも、他の人にはできないことができると皆に注目されますよね。
こうゆう「ほかの人にはできないけど自分にはできる」ものがひとつでもあると、人は自信をつけることができます。
運動はこれを持てるチャンスを著しく増やします。たくさんの運動に触れ、経験することで、自分に合ったもの、人よりも優れたものを見つけることもできるでしょう。
ひとつ何かに自信を持てれば、人は輝きだします。そしてもっと頑張ることができ、成長し続けられます。
キラキラしていたい
運動をし続ける仕組みづくり
運動により、脳・体・心を鍛え、生きる力が醸成できることは十分ご理解いただけたと思います。
これを実現するために必要なのは運動を始めること、そして人生を通して運動をし続けることです。
「運動の習慣化」ですね。
ちなみに、週に1回スポーツジムに通って運動するよりも、日々の生活を活動的にする方が、全体的な活動量は多くなります。そのため、運動を日課にするのが最も良いです。
みなさんには運動習慣があるでしょうか?残念ながら、現代の日本の大人は運動と疎遠な関係にあるようです。
すなわち、今の時代において運動を習慣化するのはなかなか難しいということです。そのため、戦略的な仕組みづくりが必要になります。
脳も体も、使わないと衰える一方です
現代の大人に運動習慣はほぼない
幼少期はほとんど全ての子が運動好き。目につくいろいろなものに興味を持ち、ハイハイで移動し触りに(ときにかぶりつきに)行く。登れそうなところには登りに行く。投げる。
呼んだ?
成長とともに歩くようになり、走るようになり、自転車に乗れるようにとなってくるとどんどん活動領域が広がり運動が多様化します。
彼らにとって運動は苦ではなく、刺激を求めた本能的な行動のようです。
無限に遊べるよ!
そんな子供たちでも、いつしか大人になるまでに運動嫌いになる、運動から遠ざかる子がいるのも事実です。
この証拠となる驚きのデータがあります。厚生労働省が行った国民健康調査です。
運動習慣のある者の割合は、男性で 35.9%、女性で 28.6%であり、この 10 年間でみると、 男女ともに有意な増減はみられない。年齢階級別にみると、その割合は、男性では 30 歳代、 女性では 20 歳代で最も低く、それぞれ 14.7%、11.6%である。
平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省
ここで言う「運動習慣のある者」とは、1回 30 分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者を言います。
たったこれだけの運動習慣でも、特に若い層で実行できている人が少ないというのが紛れもない事実です。
30代なんて14.7%しかいない
子育てや仕事が忙しい時期ではありますが、もはや運動していない人が大多数であるというのが日本の現状と言えます。
脳の仕組みを理解し、習慣を作る
元々運動好きな人であっても、一度なくなった運動習慣を取り戻すのは至難のわざです。
ましてや運動嫌いなら難易度ゲキ高です。
ではなぜ習慣を新たに身につけるのが難しいのでしょうか?
その一つの理由は、脳の基本的な動きとして「安心・安全」な方向に行動を選ぶ、という性質があるからです。
どうゆうことか。例えば朝ランニングの習慣を手に入れようとすることを考えてみます。
ランニングを始めるとしんどくなったり体が痛くなったりします。これは脳からすると「おいこいつ大丈夫か?やばいんじゃないか?」という疑念を生むんですよね。
そうすると「安心・安全」を脅かす行動であると認識され、脳からすると「やめろ!危険だ!」となり、やめろやめろ指示が飛ぶわけです。これは「やる気がなくなる」とか「朝起きれない」という気持ちを引き起こし、そして行動できなくなって、3日坊主が完成します。
じゃあどうすれば良いか。脳に「良いことあるよ」って教えてあげれば良いんです。
これはなんでも良いです。例えばチョコが好きなら、朝ランニングしながらチョコ食べて良いルールを作ります。そうすれば脳は「朝走ればチョコが食べれる!やった!」となり、やめろやめろ指示を弱めることができます。
ランニングチョコきつくない?口ん中カバカバになるよ
これで3日坊主をクリアし、2週間とか1ヶ月とか経ってくると、脳ではすっかり「朝ランニングは悪くないもの」と認識され、朝ランニングは「自動実行プログラム」として定着しますので、すなわち習慣となります。
こうなればチョコはやめても大丈夫です。朝ランニングしないと「なんか気持ち悪い」人間が出来上がります。
習慣化が難しいのは人間の防衛本能ゆえですので、これにうまく対処すればあなたもきっと運動習慣を手に入れられると思います。習慣は味方につけるべき最強のツールです。自動で実行されますからね。
私はこれで早起き習慣を手に入れ、今や3時半起きです
(以前は8時半起きw)
「時間がない」は理由にならない
「なぜ運動しないの?」と聞かれて「時間がないから」と答える人もいるかもしれません。
ですが、時間の問題ではなく優先順位の問題なはずです。
そのためにも、運動の大切さを知り、運動が幸せ生活の必需品であると理解すれば、優先度ランキング上位に来るのではないでしょうか。
そうして、ストレスなく(むしろストレス解消のために)運動習慣を手に入れましょう。
さあ、運動を始めましょう!
運動が脳・体・心に与える好影響についてお示ししました。まとめると以下の15のメリットになります。
- 新しい脳細胞を生み、脳力向上のポテンシャルを生む
- 思考回路を最適化することで頭が冴え、仕事の能率が上がる
- 脳内ネットワークを強くし、学習効果を高める
- 脳の老化を遅らせる
- 病気で死ににくくなる
- 健康寿命(元気でいれる時間)が延ばせる
- ケガをしににくくなる
- 回復力が向上する
- バイタリティがつく
- シュッとした容姿を維持できる
- ストレスから走り抜けられる
- ストレス耐性が身につく
- 過度の不安やパニック障害を予防・対処できる
- 社会性の発達に寄与する
- 自信をつけられる
これらのメリットを得るため、今から運動習慣を手に入れても決して遅くはありません。
多大な努力が必要となる作業ですが、幸せな生活のために頑張りどころではないかなと思います。
あなたの、そしてご家族の人生を豊かなものにするため、今すぐ運動を始めてみませんか。
もし読者の方にお子さんがいらっしゃるようであれば、ぜひ動育を取り入れてみてください。
子供のころから運動に親しみ、運動を得意とし、運動することが当たり前の生活をしていれば、大人になってから苦労して運動習慣を手に入れる必要はありません。
詳細はこちらをご参照ください↓
家の中にロープを垂らして毎日エクササイズなんてのはいかがですか?
参考HP・書籍など
◼︎厚生労働省HP (ホーム >政策について >分野別の政策一覧 >健康・医療 >健康)
■CLUB Panasonic(運動・生活活動の消費カロリー)
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