家の中には壁がたくさん。そんな壁、持ち家でも賃貸でも有効活用したいですよね。
掛けるものの重さや大きさでその難易度は変わり、時計といった初級レベルからブランコ・ハンモックといった上級レベルまで、その活用の範囲はさまざまです。
本記事では、 鉄筋コンクリート造マンションにおける室内の壁・天井の仕組みを理解した上で、どんな打ち手があるかについてまとめます。
特にLGS柱にビス打ちする作業についてはノウハウが必要ですので、私の実体験が有用かと思います。ぜひ参考にしてください。
めざせ、間仕切り壁マスター!
間仕切り壁とは? ~ まず相手を知る ~
壁にはDIY的に攻められる相手と逃げた方が良い相手がいます。
前者は下地+石膏ボードの壁、後者はコンクリート製の壁です。
コンクリさん怖い…
私は素人、すなわち作業はDIYレベル限定ですから、下地+石膏ボードの壁すなわち間仕切り壁を相手にします。
間仕切り壁とは文字通り、家の中の間(部屋)を仕切っている壁のことです。
鉄筋コンクリート造マンションの場合、間仕切り壁の中身はこんな風になっています↓
LGS(鉄)の下地があって、その上に石膏ボードが貼られ、さらにその上に貼られているクロスが見えている状態ですね。
詳細はこちらをご覧ください↓
「LGSってなにそれおいしいの?」って人は要チェックです
下地の探し方も本記事を参考にしてください
ここではマンションを前提に話を進めますが、戸建ての場合でも、下地が木材に変わるくらいで大体同じ構成です。
先の絵では「軸材のあるところに取り付ける」となっていますが、攻めどころは取り付けるものに依って選択肢が採れます。
- 石膏ボード
- 下地(LGS or 木材)
軽いものであれば石膏ボードでOKですが、重いものになると下地を狙う必要があります。
また、石膏ボードを攻めるのは比較的簡単ですが、下地はちょっと難しくなります。
そんな難易度も含め、順に見ていきましょう。
石膏ボードを攻める方法
まずは簡単な方から行きましょう。
石膏ボードは文字通り石膏でできたボード材です。
厚さは9.5mm/12.5mm/15mm/21mmの4種類があり、マンションの間仕切り壁によく使われるのは9.5mmもしくは12.5mmです。
石膏ですのでポロポロとした材質で、攻め方を誤ると白い粉が壁から噴出してきてキャーッってなりますので、攻める前に相手をしっかり知っておきましょう。
穴を空ける前に石膏ボードちゃんを見ておきたいって人は、部屋の中にある壁コンセントや照明のスイッチのところをパカっと開けてみてください。手でグッとやるとこんな感じで外れます↓
ポロポロ落としたら掃除しといてよ
さてこんなグズグズの石膏ボードでも、押しピンやねじを打ち込んだりできるんでしょうか。
とりあえず普通の押しピンを刺してみましょう。
どうでしょうか。手応えなさ過ぎて不安になると思います。
だめだこりゃ
そして刺した後のピンを見ると、白い粉を連れて帰ってきているはずです。
そんな感じで、石膏ボードに押しピンを刺すことは可能ですが、使える代物ではありません。普通のねじでも同じくです。ポロポロをこぼすだけです。脆い石膏ボードには、特別な手を打たないと歯が立ちません。
そんな石膏ボードの攻め方は、こちら (外部リンク)に完璧にまとまっているので参照ください↓
ちなみに私が実際に使った経験から、自信をもってオススメできるものだけをピックアップしてご紹介します。
石膏ボード用の押しピン
壁にスマホ・タブレット置き棚を作った時に使いました。フックなしのピンだけで使用。
十分な耐荷重がありますし、場所変えのときも痕がそんなに残らずGOOD。
ピンが非常に細いので曲がらないように注意。コツは「コインで押す」ことです。ハンマーでたたくと曲げてしまうことがあります。叩くのではなくググッとコインで押せばOKです。相手は石膏ですから、楽勝です。
とても便利なこのピンですが、実は最近、娘(10ヶ月)に棚ごと破壊されまして…
ごめんおとうさん
しっかり留まる分、根がしっかり張ってるのでもげたときの衝撃もすごいです↓
小さい子がいるご家庭や、人が触れやすいところに使う場合は十分ご注意ください。
ねじ打込み用のアンカー
これを石膏ボードにねじ込んで挿入し、ねじ止めできる下地(アンカー)を作ります。そうすることでねじ留めできるようになります。
私はスピーカーを壁かけする際に使用しました。スピーカー取り付けブラケット(専用品)に対応できるピンタイプがなかったためです。
アンカーの取り付け時はそれはもうボロボロと石膏でまくりです。ハンディ掃除機で吸いながらねじ込みました。約1kgの小型スピーカーですが、頼もしく取り付いていますので大満足です。
ちなみにスピーカーはこれです↓
白くて小さくてかわいいくせに、良い音で大満足!単体だと音が軽すぎますが、サブウーファーもまたデザインがイケてるので問題なしです。
スピーカー専用ブラケット(取り付け金具)が販売されているのもありがたい。
下地(LGS)を攻める方法
次は少し難しい下地を攻める方法です。外見には見えていない下地に狙いを定めて、石膏ボード越しにビスを打ち込む、といった感じで攻めます。
まずここでも相手を知りましょう。 間仕切り壁の中身は大体こんな感じになっています↓
LGS下地の位置は外見からはわかりませんので、下地センサーを使って探していきます。
この記事でもオススメした下地チェッカーどこ太の出番。
どこ太を使うと、壁の中にこんな感じでLGS柱が走っていることがわかります。
LGS柱ですが、DIY的なポイントは
- 素材は鉄
- 厚さは0.8mm
ということ。断面はこんな感じ↓
これにビスをぶっ刺していきます。相手が0.8mmと薄いですから、特殊なビスを使って食い込ませることが可能です。
LGS柱への固定には軽天ビスを使う
軽天ビスというのは、業者さんが間仕切り壁を施工するときに石膏ボードをLGS柱に固定するとき等に使われるビスです。
今回の用途にピッタリ
ビスの必要長さは下記A+B+Cで算出します。
A)固定物の厚さ
B)石膏ボードの厚さ
C)ビス先端の突き出し量
私が作った登りロープの例で言うと、
A=19mm(1×4材の厚さ)
B=12.5mm(どこ太で調べた石膏ボード厚さ)
C=10mm以上(ビス径3.5mmの場合の推奨突き出し量)
となり、合計は31.5mmでした。すなわち、最低31.5mm以上の軽天ビスが必要となります。
実際には1×4材の厚さばらつきや隙間があるので、5mm程度は余裕を見ておいた方が良いんじゃないかしら
ちょうどいいサイズのものがないことも良くあると思います。特に長い軽天ビスってないんですよね。石膏ボードってそんなに厚くないですから。実際、私も探すのに苦労しました。ホームセンターに売っていなかったらネットで探してみて下さい。
私はネットでやっと見つけました
LGS柱にビス打ちするノウハウ
まず下準備です。1×4材などの木材を固定する場合は下穴加工しましょう。 これをすることで木材が割れることを防ぎます。
下穴の大きさは一般的に「ビス径×0.7」です。例えばビス径3.5mmを使用する場合は、
3.5×0.7≒2.5mm
の下穴になります。 これをビス挿入箇所全部にあらかじめ施しておきます。
下準備が整ったら、あとは腹くくって壁に穴を空けましょう!
やったれぃ!
この工程では壁にビス径分の穴が開きますので、跡が残ることを嫌う場合は事前にねじ挿入箇所の壁紙を剥がしておくと良いです。穴は空きますが、後から壁紙を上から貼り直すことでびっくりするほど目立たなくなります。
固定物(例えば1×4材)を設置場所に当てて、軽天ビスを挿入してきます。 ここでは特に最初は、電動工具は使わずにドライバーによる手締めで挑むことをオススメします。
というのも、手応えがかなり変わるから。初めは(取り付ける)木材、次に石膏ボードが来て、最後はLGS。
ギュギュギュ→スカスカ→ガッチガチって感じです。
LGSなんて文字どおり”鉄壁”でして、スカスカからガッチガチのところは間違いなく立ち止まることになると思います。初めは手動が得策です。
さてここでコツがあります。ねじの挿入は初めの19mmは木材、しかも下穴入りのところを通過するだけなので、すんなりいきます。そしてそのあと、12.5mmの石膏ボードフェーズが来まして、ここも手応えが軽くなってあっという間に進みます。
そのあとです。鉄壁のLGSさんにぶち当たります。
当たった瞬間それとわかる手応え
その硬さたるや「マジで行けんのか?!」と自問してしまうほどです。
がんばれお父さん!
大丈夫。いけます。
鉄壁にぶち当たったら、ハンマーを使ってねじ頭をゴンゴン叩いてやってください。軽天ビス先端をLGSに突き刺すイメージです。結構強くやったほうがいいです。
この作業は結構音が出て響くので、作業時間帯は配慮が必要です!
十分刺さったかなぁと思ったら、ドライバーを思いっきり押し込みながらネジ回ししていきます。もう全身全霊でねじ込んでください。
ここで手応えがないままねじを回してしまうと、固定物が壁からどんどん離れていってしまうので、そうなったらすぐ逆回しにして戻してください。
鉄壁に当たったところで速やかにストップし、ハンマーでどつき、ドライバーを力一杯押し込みながらネジまわし、です。
「LGS食ってる!!」って手応えがあれば成功です
ビスの挿入完了後は念のため、固定物が壁から浮いていないか、グラグラしないかのチェックをしてください。
まとめ
家の中の間仕切り壁を有効活用するために、石膏ボードとLGS柱それぞれの攻め方をご紹介しました。あとは用途に応じて準備し、腹をくくって攻めてください。
登りロープはハードル高いと思われるかもしれませんが、相手を知れば問題ありません。特に小さいお子さんがいらっしゃるご家庭にはオススメですので、ぜひご検討くださいませ↓
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